2000年代作品美少女ゲームレビュー

エロゲーレビュー『真・恋姫†無双〜乙女繚乱☆三国志演義〜』(BaseSon 2008年)

今回紹介するのは三国志の武将を女体化した歴史ファンタジー超大作『真・恋姫†無双〜乙女繚乱☆三国志演義〜』。
制作はNEXTON系列のブランド・BaseSon。2009年萌えゲーアワード大賞部門金賞を受賞した大作です。

物語は主人公が中国大陸における三国志の世界(ただし武将はほぼ全員女の子!)に飛ばされるところから始まる、いわゆる異世界召喚モノ。女の子だらけの三国志世界で弱肉強食の戦いが繰り広げられる萌えて燃える作品です。
形としては前作『恋姫†無双』のリメイク作品なのですが、シナリオとグラフィックは新たに書き下ろされているので、前作未プレイ・プレイ済みに関わらず楽しむことができます。というか「真」からプレイすればOKです。

特筆すべきは三国志の武将として登場するヒロインの人数。ただでさえ多かった前作よりもさらに増え、その数なんと50人以上! しかも声優の兼ね役がほとんどなく(つまり出演声優も50名以上!)、ほぼ全てのキャラにHシーンを完備しています。
歴史上の人物を女体化する作品は結構あるのですが、その中でも最大のボリュームと完成度を誇る意欲作。アニメ化やコミカライズだけでなく、ソーシャルゲームやパチンコなど様々な方面にメディアミックスされ、多くの関連作品が生まれたシリーズです。

  • 女体化武将による三国志演義
  • ほぼ全員にHシーンがある50人近い武将(ヒロイン)
  • 萌えキャラによる激熱燃えシナリオ
ブランドBaseSon
ジャンル乙女繚乱煩悩爆発歴史AVG
初回発売日2008.12.26
DL版価格8,023円
シナリオK.バッジョ 他
原画片桐雛太 他
おすすめ度85
シナリオ傾向

購入ガイド

タイトル対応OS発売日入手難度
恋姫†無双
~ドキッ☆乙女だらけの三国志演義~
98 2000 Me XP2007.1.26
真・恋姫†無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~2000 XP Vista 72008.12.26
真・恋姫†無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~
【新装版】
2000 XP Vista 72010.4.2
真・恋姫†無双 ~萌将伝~2000 XP Vista 72010.7.23
真・恋姫†夢想 ~乙女繚乱☆三国志演義~ 呉編PSP2010.9.22
真・恋姫†夢想 ~乙女繚乱☆三国志演義~ 魏編PSP2010.9.22
真・恋姫†夢想 ~乙女繚乱☆三国志演義~ 蜀編PSP2010.9.22
真・恋姫†夢想 ~乙女繚乱☆三国志演義~PS22011.11.10やや難
真・恋姫†夢想 ~乙女対戦☆三国志演義~XP Vista 7 82013.5.31
真・恋姫†夢想 Collector’s BOXVista 7 82014.12.19
恋姫†演武PS3 PS42016.1.28
真・恋姫†英雄譚 123+PLUS
~乙女艶乱☆三国志演義~
Vista 7 8 102016.7.29
真・恋姫†夢想 -革命- 蒼天の覇王7 8 102017.7.28
真・恋姫†夢想 -革命- 孫呉の血脈7 8 102018.7.27
真・恋姫†夢想 -革命- 劉旗の大望7 8 102019.7.26
真・恋姫†英雄譚 外伝 白月の灯火10 112023.12.22

まず初めに発売されたのがシリーズの原点となる無印の『恋姫†無双』。
その後、舞台とキャラ設定はそのままにシステムとシナリオ、イベントCGを一新してフルリメイクされたのが『真・恋姫†無双』で、以降の作品はこれがベースになっています。ちなみにディスクはものすごく綺麗なピクチャーレーベル仕様になっているので必見です。
無印と「真~」はそれぞれ新装版としてコンパクトなパッケージで再販されています。
『萌将伝』は主要キャラのサイドストーリーを集めたファンディスクなのですが、とあるメインキャラのシナリオが収録されなかったことで物議をかもしました。

PSP版は魏・呉・蜀3つのルートを分割して発売されたんですが、ちょっと阿漕かな~と思わなくもない。ちなみに「無双」というタイトルはコーエーのゲームと混同されるので「夢想」になったそうです。
PS2版は3つのPSP版を統合したもの。最初からこうすればいいのに。
『英雄譚』はダウンロード版が先行して発売されたファンディスク。キャラデザインが初期の頃とちょっと変わってるので違和感があるかも。後に3本パックである『123+PLUS』がパッケージ版として発売されました。

『乙女対戦』は恋姫キャラを使った対戦格闘ゲーム。先にアーケードで稼動した後、PCとPS3に移植されました。『恋姫†演武』はその続編。
『革命』シリーズは本編のキャラとシナリオを加筆して魏・呉・蜀の国ごとにリメイクしたもの。後に特典等を追加したプレミアムパッケージも発売されています。
『白月の灯火』は董卓・賈駆・呂布を中心にした外伝物語。
またソフトハウスキャラから曹操を主人公にした『巣作りカリンちゃん』というスピンオフ作品も出ています。

これ以外にもソーシャルゲーム『真・恋姫†無双~乙女乱舞~』やパチンコ『CR恋姫†無双』など、様々な媒体で展開されました。何気に単独のエロゲーコンテンツとしてはもっとも手広く展開している作品ではないでしょうか。

今から買うなら今でも新品で買える『真・恋姫無双』新装版を推奨。ちょっとしたオマケディスクもついてます(たいした物でもないですが)。無印のほうも新装版が出ているので間違えないようにしてください。まぁ両方プレイすれば問題ないんですが。
特典がいらなければ初回版で。中古ショップで投げ売り価格になっています。
お金と時間に余裕があるなら『革命』シリーズを。

システム

画面サイズは800×600。パッケージ版はディスクレス起動ができません。
システムは大きく分けてシナリオパートと戦闘パートがあり、さらにシナリオパートはメインシナリオと個別シナリオに分かれます。

メインシナリオはスタート直後に主人公が所属する国(魏・呉・蜀)を選んだ後は一本道で、ルート分岐はおろか選択肢すらありません。
章別構成になっていて、 それぞれの章の合間には各国のヒロインとの個別イベント(Hシーンも含む)を任意に読むことができる「拠点フェイズ」が挟まれます。シナリオの進み具合に よっては一部の個別イベントの内容が変化しますが、個別イベントの進み具合でメインシナリオに変化することはなく、極端な話まったく個別イベントを見ていなくてもメインシナリオに影響はありません。
また、1回の拠点フェイズで読むことのできるイベントの数は決まっている上に、同じヒロインを連続して選択す ることはできないので、1回のプレイで全ての個別イベントを読むことはできません。

メインシナリオ中に合戦のシーンになると戦闘パートに なります。まぁいわゆるミニゲームのようなものなのですが、キャラの成長要素のようなものはなく、正直言ってあんまり面白くはありません。チュートリアル 的なものがないので最初はちょっと戸惑いますが、基本的には戦闘前に武将と軍師を選び、相手の陣形を見ながら戦法を変えるだけのじゃんけんのようなものです。

序盤は何も考えずクリック連打で、中盤は相手のステータスを見て戦法を予想した上でこちらの戦法を選べばほぼ負けないかと。終盤は相手の戦法が 読みづらい上に奥義を連発してくるので運が悪いと負けてしまいますが、たとえ負けても即再戦できる上に、負けるごとにこちらの兵力が上乗せされるのでその うち勝てるようになります。また2週目以降(つまり既読スキップが使える状態)は戦闘パート自体をスキップすることができます。

シナリオ

シナリオライターはディレクターのK.バッジョさんを筆頭に、神代いづみさん、新井しーなさん、assaultさん、尾之上咲太さん、花七さん、播磨与一さんの複数ライター制。

何の変哲もない日本の学園生である主人公が三国志の世界に飛ばされるというある意味ベタな設定ですが、「なぜ飛ばされたのか?」「どうやって時代を超えたの か?」といったSF的な要素は完全にスルーされます。
また国も時代も違うのになぜ普通に言葉が通じるのか(文字は読めない)とか、この時代にメガネやブラジャーが存在していいのかといった野暮な突っ込みをしてはいけません。頭を空っぽにして女の子たちと三国志してればいいんです。

文章は基本的に主人公視点の一人称で構成され、主人公のいないシーンでは会話文のみが表示されます。これがちょっとクセ物で、緊迫した武将同士の一騎打ちのシーンも基本的に「はあああああっ!!!」とか「でやあああああっ!!!」といった掛け声と効果音のみで展開されることも多いので、ちょっと盛り上がりに欠けるところが勿体無いですね。

ストーリーは本来の三国志(演義)をベースにしていて、時代的にはどのルートも主に黄巾の乱から赤壁の戦いまで を描いています。ただ史実の順番は無視している部分も多く、例えば蜀ルートでは黄巾の乱の前からすでに孔明が仲間になっていますし、赤壁の前に入蜀や南蛮征討が終わっています。
とりあえず三国志の有名エピソードを詰め込んで凝縮した感じになってるので、ここでも野暮な突っ込みはやめましょう。

一応あまり三国志を知らない人でも楽しめるようになっているものの、有名な歴史イベントをたくさん含んでいるので、ある程度三国志のことを知っていたほうがより楽しめるかと思います。特に地名に関しては、いきなり”除州”とか”益州”とか言われても初心者には位置関係がわかりません。せめて地図上で示してくれても良かったんですけどね。

グラフィック

原画は片桐雛太さん、八葉香南さん、かんたかさん、日陰影次さん、くわだゆうきさん、さえき北都さん、しのづかあつとさん。
キャラの数が多いので複数原画家制ですが、雰囲気はある程度統一されていて、その中で作家さんそれぞれの個性も出ているため、非常にバリエーション豊かなキャラクターになっています。

キャラの造形はややデフォルメされていて、特に体形に関しては(いろんな意味で)大きいキャラは極端に大きく、小さいキャラは極端に小さいデザイン。
また服装も三国志の時代とは思えないくらい派手派手で、キャラによっては「痴女かよ!」と思いたくなるくらいピンポイントで肌の露出の多いキャラもいたりします。

キャラクター

蜀軍
劉備(桃香)
愛紗・鈴々の義理の姉で蜀の王。戦のない理想的な国を目指すお人好し。

関羽(愛紗)
他国にもその名を知られた蜀のエース。規律を重んじる委員長的な性格。

張飛(鈴々)
愛紗に次ぐ実力を持つ3姉妹の末っ子。猪突猛進のちびっ子。

趙雲(星)
公孫賛の客将をしていたが、桃香たちと出会った後、行動を共にする。飄々とした性格で神出鬼没。

諸葛亮(朱里)
ご存知、三国時代を代表する天才軍師・諸葛孔明。ただしちびっ子。通称「はわわ軍師」。

魏軍
曹操(華琳)
圧倒的な才とカリスマ性を併せ持つ魏の覇王。ツンデレ、サド、百合、そして貧乳。

夏侯惇(春蘭)
華淋を敬愛する魏武の大剣。全ての行動原理は華淋様のため。

夏侯淵(秋蘭)
春蘭の妹で沈着冷静な魏の参謀。華淋を敬愛すると同時に姉も溺愛。

呉軍
孫策(雪蓮)
自ら剣を振るって敵陣に突撃する孫呉の王。冷酷さと奔放さを併せ持ち、家臣の信頼も厚い。

孫権(蓮華)
真面目な性格の雪蓮の妹。ルートによっては雪蓮の後を継ぎ孫呉の王に。

周瑜(冥琳)
呉を代表する天才軍師。雪蓮とは幼い頃からの親友で女房役。

これ以外にも非常に個性的なヒロイン(武将)がたくさん登場します。多分当時としてはエロゲ史上最多なのではないでしょうか。ちなみに私のお気に入りは星と華淋様。綺麗ごとばかり並び立てる劉備に対して、圧倒的なド正論で黙らせる華淋さまステキ!

キャラの名前に関してはちょっと特殊で、通常の名前(姓名)に加えて”字”という中国独特の名前があります。ただそのままだと髭面のおっさんのイメージが浮か んでしまう人が多いためか、この作品中では親しい者しか呼ぶことを許されない”真名(まな)”という女の子っぽい名前が独自に設定されています。そのため 「姓は劉、名は備、字は元徳、真名は桃香」とか「姓は諸葛、名は亮、字は孔明、真名は朱里(しゅり)」というようにちょっと長ったらしい自己紹介になったりしますが、基本的に主人公の周りでは真名で呼び合うことが多いです。
こういった名前は作中でも状況に応じて使い分けられています。初めのうちはちょっと戸惑うかもしれませんが、多分すぐ慣れるかと。例えば曹操の場合は、対外的に呼び合うときはそのまま”曹操”、親しい身内同士では”華淋”、戦場で名乗りを上げるときは”曹猛徳”という感じになります。

ちなみに主人公の本郷一刀は現代の知識を持ちつつ三国時代にタイムスリップするという設定なのですが、戦闘には参加するものの魏ルート以外ではあまり歴史に直接介入するようなことはせず、見届け役みたいな立ち位置にいます。
主人公が中心になって歴史を切り開いていく物語が読みたければ、前作「恋姫†無双」をプレイしましょう。

ボイス

安玖深音/後藤麻衣(劉備)本山美奈/黒河奈美(関羽)芹園みや/西沢広香(張飛)楠鈴音/鳴海エリカ(諸葛亮)
野神奈々/本井えみ(趙雲)桜川未央/小林眞紀(馬超)飯田空/雨宮侑布(黄忠)九条信乃/後藤邑子(鳳統)
青葉りんご/青葉りんご(馬岱)白井綾乃/荒井静香(厳顔)加賀ヒカル/平田宏美(魏延)
乃嶋架菜/前田ゆきえ(曹操)深井晴花/浅井晴美(夏侯惇)如月葵/吉田愛理(夏侯淵)みる/壱智村小真(荀彧)
倉田まりや/澄田まりや(許緒)てんかわののみ/天神林ともみ(典韋)山崎波子/今井麻美(郭嘉)海原エレナ/氷青(程昱)
五行なずな/小野涼子(楽進)水鏡/中川里江(李典)春日アン/加澄もも(于禁)
サトウユキ/米島希(孫策)風音/櫻井浩美(孫権)かわしまりの/瑞沢渓(周瑜)一色ヒカル/田中涼子(甘寧)
まきいづみ/やなせなつみ(陸遜)北都南/ひと美(孫尚香)紫苑みやび/MARIO(黄蓋)犬山遊々/水橋かおり(呂蒙)
桃井いちご/大久保藍子(周泰)
木村あやか/いのくちゆか(董卓)青山ゆかり/友永朱音(賈駆)井村屋ほのか/萩原えみこ(呂布)椿丸子々々/結本ミチル(陳宮)
AYA/茂呂田かおる(張遼)このかなみ/加藤雅美(袁紹)紫華すみれ/神崎ちろ(文醜)青井美海/羽月理恵(顔良)
柚木かなめ/河原木志穂 (公孫賛)巻田彩乃/中村繪里子(袁術)七野社/たかはし智秋(張勲)遠野そよぎ/岡嶋妙(張角)
御苑生メイ/梅原千尋(張宝)桜野マヤ/吉住梢(張梁)金松由花/井上みゆ(孟獲)西野みく/永田依子(ミケ)
有栖川みや美/高田初美(トラ)金田まひる/梶田夕貴(シャム)
ほうでん亭ノドガシラ/檜山修之(華佗)夕凪咲巳/若本規夫(貂蝉)巌蝉秋(卑弥呼)
名義はPC版/CS版

主人公を除く、主要キャラフルボイス。
ただでさえキャラが多いのに兼ね役がほとんどないため声優さんの数がありえないくらい多く、総勢52人の大軍勢。ベテランから新人さん、エロゲ専属の方から妹さんがTVアニメで活躍されている人まで多種多様。ちょっとした声優カタログです。
声優さんの強さ(?)的には呉>蜀>魏、といった感じですかね。呉は何故かエース級の人材が揃っています(笑

そしてたった3人にもかかわらず男性声優の面子が濃すぎ!熱すぎ!暑苦しすぎ!!
ちなみに巌蝉秋さんはCS版と名義が共通ですが、東の方で熱く燃えていそうな方です。

演技の面で個人的に凄いなと思ったのは、袁術役の巻田彩乃さん。クソ生意気な子供の演技から保護欲をかき立てる泣き声まで見事に演じきっているので必聴です。

ちょっと気になったのは、戦の前に兵たちに掛ける号令の台詞がどの方もちょっと勇ましさに欠けるかなと思えたことですかね。女性の方はこういうシチュエーションに慣れてないためか、みなさん手探りで演技しておられるように感じました。

また『革命』シリーズでは一部の声優さんが変更になっています。長期シリーズあるあるですね。
引退されてしまった方は仕方ないですが、張勲役のチアキnもとい七野社さんが変更になってしまったのは残念でなりません。もうエロゲ出てくれないんですかね。

BGM

BGM作曲は、たくまるさん、水月陵さん、上原一之龍さんの3氏。
この作品のために新たに書き下ろされたのは40曲。それ以外に前作「恋姫†無双」から引き続き使われているのもあわせて、BGM鑑賞モードで聴けるのは全部で74曲。

個人的なお気に入りは戦闘曲が中心になりますが、「大同団結」「反撃の狼煙」「捲土重来 我旗仰見」あたり。ブラスバンドの音で奏でる勢いのある曲調がいやがおうにも気持ちを高ぶらせてくれます。
この他にも中国らしい楽器が奏でる「桃花あいあい」や「南海青空」といった日常曲も心が癒される良曲。

主題歌

タイトル作詞作・編曲備考
「HE∀tingSφul」ASUKAたくまる片霧烈火OP
「我等詠ウハ兵ノ道標」片霧烈火たくまる片霧烈火挿入歌
「彼方の面影」KiriraたくまるKIYO挿入歌
「あさきゆめみし」ASUKAたくまる茶太挿入歌
「志在千里 ~恋姫喚作百花王~
【Piano Arrange】」
K.バッジョたくまる茶太ED

OP曲「HE∀tingSφul」(ヒーティングソウル)はこれから繰り広げられる熱い戦いを予感させる、片霧烈火さんらしい気合の入った曲。前作のOP曲「HφwlingSφul」と姉妹曲のような感じになってます。

ED曲「志在千里~」は前作EDのアレンジ曲。戦乱の時代が終わり、正に「兵どもが夢のあと」といった感じのしっとりとした名曲です。
魏ルートの挿入歌である「彼方の面影」はとてもエロゲソングとは思えない、落ち着きのある感動的な曲。まるでジブリアニメのED曲のよう。

各ボーカル曲は音楽鑑賞モードで聴くことができるのですが、その際ちゃんと歌詞も表示されます。こういうのって意外と少ないんですよね。

ムービー

ムービー製作はKIZAWA Studio。
熱いOPテーマにあわせて劉・曹・孫それぞれの旗の下に次々と武将たちが現れ、立ち絵やイベント絵がグリグリ動く演出は圧巻の一言。何度見ても飽きません。
特に曹操率いる魏の大軍が呉の城を包囲するシーンは鳥肌が立ちます。

ムービー鑑賞モードはなく、イベント回想でもムービーは見ることができないので、見返したい場合は第1章の終盤にセーブファイルを作っておきましょう。インストールフォルダにあるムービーファイルを直接見ることもできます。

攻略

選択肢の類はないので、プロローグ後に所属する国を選んだ後は一本道で迷うことはありません。
基本的にどの国からはじめても問題ないかと思いますが、あえて順番をつけるなら、蜀→呉→魏。魏ルートの後半が一番盛り上がります。
3つのルートを終えるとおまけシナリオ的なルートが開放されますが、ギャグ成分が多めなので好みは分かれるかもしれません。

プレイ時間はどの程度個別イベントを見るかによっても違ってきますが、かなりボリュームのある物語なのでゆっくりやると50~60時間くらいはかかると思っておいたほうがいいでしょう。メインシナリオだけでも20~30時間くらいの分量がありますし、全ての個別イベントをコンプリートしようとすると下手したら80時間くらいかかると思います。

私の場合、一通り目当てのヒロインの個別Hイベントを見た後は、終盤のメインシナリオに集中するために個別イベントはほとんど見ずに進めました。個別イベント1つでも15~20分くらいかかるのでせっかく盛り上がってきた流れが止まってしまうんですよね。
初回プレイでは個別イベントを一切見ず、メインシナリオのみに集中するというのも1つの手かと思います。

Hシーン

Hシーンは個別イベントを進めることによって見ることができます。回数は1人(もしくは1組)につき1~4回。1回の行為につきだいだい2~3回は達するのでシーン自体は結構長め。というか主人公絶倫すぎ(笑

個別イベントは複数のキャラが組みになっていることも多いので3P・4Pといったプレイも多くなります。
またほとんどのキャラにお口でするシーンがあり、BGVもついているのでちょっとしたフェラ音カタログになってますね。

感想

「武将が全員女の子」というかなりはっちゃけた設定の戦国絵巻ですが、シリアスなシーンからコミカルなシーンまで非常にバランスの取れた作品になっていると思います。
序盤は弱小勢力にすぎなかった3つの国が、戦いを繰り返していくことによって勢力を拡大し、最後に大陸の命運をかける一大決戦に臨む壮大な物語は、正に三国志のエッセンスを凝縮しているかと。

シ ナリオは主に3つのルートで構成されていますが、個人的な感想をいえば面白さは魏>呉>蜀ですかね。終盤の展開が熱い魏・呉ルートに比べると蜀ルートは ちょっと後半の盛り上がりに欠けるかなと思わなくもない。わずか数行でひとつの章が終わってしまうこともありますし、最後もちょっとご都合主義すぎるかな と。蜀ルートも中盤の長坂の戦い辺りまでは凄く燃えるんですけどね。
ただどのルートも赤壁の戦いをラストバトルに持ってきてるので、その盛り上がりは半端ではありません。もちろん有名な「苦肉の策」や「連環の計」もバッチリ再現されてます。結末がわかっていても熱くなれるのは実に大河ドラマ的。史実をそのままなぞっているわけではなく、大胆にアレンジもされています。

作中では生死をかけた戦いが連続しますが、意外とキャラは死なないので鬱になるような展開はあまりありません。(全く死なないわけでもないんですが)
例えば呂布は史実だと董卓を裏切った挙句曹操に殺されてしまいますが、この作品では最強キャラとして赤壁まで大活躍します。深紅の呂旗を見ただけで慌てふためく敵兵の姿は非常に痛快。

そのキャラデザといい登場人物の数といい、どちらかというとイロモノと見られやすい作品ですが、単なるドタバタ時代劇に終わることなくちゃんと物語をまとめているのが凄いところ。三国志を知っている人も知らない人も楽しめる、燃えと萌えが上手く融合し奇跡的なバランスの上に成り立つ作品となっています。

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