
SMEE等で主にキャラゲーのシナリオを書かれていて、あざらしそふとでの最新作『アマナツ』も絶賛発売中のエロゲーシナリオライター・早瀬ゆう先生。
そんな先生が、最近Twitter上でエロゲ制作のポリシーだったりノウハウみたいなのをつぶやかれています。
単純にプレイヤーにとって興味深いだけでなく、シナリオライター志望の人にもすごく参考になるかと。
これをタイムラインの彼方に流してしまうのは人類の損失だと思うので勝手にまとめさせていただきました。
こういうクリエイターさんの経験談ってマジで貴重ですね。
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突然ですがまたエロゲに関して。主人公はプレイヤーに変わってその場にいるんだから、目の前のヒロインのリアクションを引き出すツールでないと駄目という考えでいつもシナリオ書いてます。だから主人公のスタンスは基本変える気はありません
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) September 22, 2022
主人公がヒロインのリアクションを引き出すツールというのはキャラゲーならではの考え方ですね。
一部のラノベとかに通じることもあるかも。
ヒロインの魅力を引き出す時は、その子の短所を掘り下げる様にしています。長所より短所の方が意外性もあって可愛いって自分は思うタイプです、自分の扱ってきたヒロインはみんな特徴的な短所を持っていると思います。
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) September 28, 2022
長所より短所、なるほど。
エロゲの話。基本どんな状況になっても主人公をイライラさせる事はしません。テキスト読んでるとプレイヤーまでイライラしてくるので。どんなに主人公が熱くなってもイライラするのはなんか主人公として違うと思います。持論だけど
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 3, 2022
状況にもよるでしょうけど、確かにヒロインの言動で主人公がイライラするとこっちまでイライラしてくることはありますね。
三角関係モノだと主人公の言動にイライラすることもあるけど…。
エロゲの話。ストーリーゲーよりキャラゲーが好きです。自分の書いたシナリオもヒロインが可愛いと言ってもらえたら嬉しいです。キャラゲー好きなので主人公とヒロインとの間で珍妙なやりとりやネタをブチ込んでいくのが好き。ごっこ遊びとか無理やりヒロイン分身させたり
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 5, 2022
ヒロイン分身!?
エロゲの話。シナリオ執筆時、常にヒロインの喜怒哀楽を引き出せるよう狙っています。理由はキャラゲーを買う人は彼女らの可愛い&面白いリアクションを常に求めているからだと考えています。ボリュームも限られていますので、チャンスがあれば色々な感情を表に引き出したい
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 6, 2022
やはりキャラゲーのメインはヒロインのリアクション。
エロゲの話。キャラ萌えゲーは日常シーンが大半なのでそこを面白くしないといけないと思っています。特にヒロインと2人きりのシーンを面白く出来れば最高だと考えているので、私生活でも常に会話のネタを考えてます。主人公からのボケも超大事
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 8, 2022
何気に面白い日常シーンをいくつも考えるのって大変そうですよねぇ。
エロゲの話。なんでもサブキャラやモブキャラのアドバイスがないと意識決定出来ない主人公は嫌いです。恋愛モノならヒロインの感情を察して男を見せろと。無個性主人公ほどこの傾向が強くて自分は苦手です。下手するとヒロイン傷つけることもあるし
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 9, 2022
「え? なんだって?」みたいなのはダメということですね。
エロゲの話。妹キャラ作る時はシスコンの主人公もセットで作ります。やっぱりお兄ちゃんとして妹は特別扱いしたいからァァァァ‼️‼️
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 10, 2022
妹キャラとシスコン主人公はセットと。
エロゲの話。スケジュールの関係上ディレクターとライターを兼任する場合先に絵を発注します。シナリオはその後からになるのでライターが執筆作業に入れるのは開発期間の中盤からだったりします。収録のある関係上最初に締め切りが来るのもシナリオです。つまりキツイ
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 11, 2022
先に絵を描いてからシナリオを書き始めることもあるんですね。
ディレクターを兼任というと『Making*Lovers』あたりでしょうか。
エロゲの話。ヒロインの家族、特に両親を登場させるのが好きです。これは主人公が直接聞けないその子の恥ずかしい過去エピソードや、家族を前にした時のヒロインのリアクションが書けるからです。親を前にした時のヒロインって面白いと思うんです。ネコ被ってたりとか
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 12, 2022
これはアニメや漫画でもよくありますね。
最近だと『宇崎ちゃんは遊びたい!ω』とか。
エロゲの話。背景の発注書を作った時点でデート先に行ける場所が確定もしくは制限されるので毎回デートでは頭を悩ませます。その結果がコメディ色の強い面白アプリや占い機、変なモグラ叩きの登場に繋がっています。エアーホッケーは誰とでも出来るので便利だった
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 13, 2022
エロゲのデートイベントってだいたい行き先が限られてますよね。
こういう理由があったのか。
エロゲの話。所謂ハズレヒロインは作りたくありません。ヒロインが4人いたら全員当たりと言われるようなゲームが作りたい。自分も一人だけ気になるエロゲみたいなモノはありますが、実際やった時、他の子もプレイ後は好きになっている様な、そういうゲームが理想だと思ってます
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 14, 2022
これはマジで同感。やっぱりハズレヒロインは嫌ですね。
好みに合わないヒロインでもやってるうちに気に入るようになる展開が最高。
エロゲの話。どのヒロインもユーザーさんに刺さるだろうと考えて制作しているので、いざどのヒロイン√に行くか迷うみたいな話が聞けるとニヤニヤします。この仕事の醍醐味かな。ツイッターだとそれが見えるから尚更楽しいです
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 15, 2022
自分は特に推奨攻略順がない場合、気の置けない女友達ヒロインから始めることが多いです。
「金恋」の玲奈みたいな。
エロゲの話。現実もそうですが恋愛には付き合う前と後があり、ヒロインも前と後で大きな変化が表面化するのが当たり前だと考えています。これを『彼氏にしか見せないギャップ』だと捉え、それを自然に日常会話の中で表現出来たら萌えゲーとしては成功だと思っています。個人的には付き合う直前が好き
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 16, 2022
付き合う前と後の変化といえば『フレラバ』が印象的ですね。
エロゲの話。ヒロインは色々考えて作りますが自分の場合モブキャラは重要なキャラじゃない限り基本その場の勢いで書いてます。しかしこの勢いの影響で一番困るのは声優さんで、どう演技すれば良いのかわからないこともしばしば。声優さんのパワー演技が求められるのがモブという
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 17, 2022
モブキャラの演技も注目しましょう。
エロゲの話。テキストの最終的な勢いを決めるのは声優さんの演技力にかかっています。自分の台本だと『//ポケモンっぽく』とか『//レイプ目』などの演技指示が書いてあるんですが、同じ台詞でもいくつもの引き出しを持っている声優さんが多く、結果的に良いギャグシーンが完成する事が多いです。すごい
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 18, 2022
この辺はさすがプロ。
声優さんって演技力だけでなく、こうやってキャラを作り上げる技術や経験も必要なんですね。
エロゲの話。今日はヒロインの第一印象についてです。ユーザーとヒロインが最初に出会う場は勝負どころです、CGを入れたりその子の印象に残るシーンを入れます。第一印象が最悪の場合、後から取り返せるのでそれをギャップに利用したりします。ツンデレとかですね
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 19, 2022
第一印象は確かに大事そう。いろいろ工夫されてるのですね。
エロゲの話。個人的な希望の話なんですが、一度も会った事のないヒロインに一方的に最初の段階から惚れ込まれていた……みたいなシチュエーションで1√書いてみたいです。再会とかじゃなくて、きっかけは偶然でも良いし第三者伝いでも良いので。楽しそう
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 20, 2022
押しかけ女房ヒロインみたいな? 古いけど『マブラヴ』の冥夜とか。
エロゲの話。ヒロインにヤキモチを焼いてもらえるシーンが好きです。焼いてもらえるのと焼かせるのとでは意味が違いますので、そこは分けて考えるようにしてます。普段感情を表に出さないようなヒロインこそ輝くシーンになるかなと
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 22, 2022
「焼いてもらえるのと焼かせるのとでは意味が違う」
ライターならではの感覚ですね。
エロゲの話。実体験で、萌えゲープレイ中にヒロインよりサブキャラの女の子の方が好きになる事があって、そうなるとかなり辛いことがありました。良いか悪いかは別にして、その経験からサブの女の子よりメインヒロインのキャラを立たせなきゃと思うようになりました。
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 23, 2022
サブキャラに人気が出てファンディスクで攻略対象に、というのはエロゲ―あるあるですね。
エロゲの話。サブの男キャラを書くのは楽しくて大好き。でもそのキャラがヒロインを性的な目で見ないように注意して書きます。自分ユーザー時代からヒロインは独占したい派なので男キャラには特別厳しいです
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 24, 2022
実は個人的に親友キャラが恋のライバルになる展開は好きだったりします。
『つよきす』のスバルとか。
エロゲの話。主人公だけ他校の生徒(ヒロイン)と付き合ってて、周りのみんなはそれを一切知らない。みたいなシチュエーションで最近勝手に萌えてます。でもこういうのはロープラ向きかな。妄想が形に出来るときが一番この仕事楽しいかも
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 25, 2022
他校じゃないけど、「付き合ってることを隠す」というのは『カノジョ*ステップ』でフィーチャーしてましたね。
カノジョ*ステップ7,920円 |
エロゲの話。これはこだわりですがヒロインの作ってくれた弁当の中身は細かく描写します。理由は主人公だけが弁当の中身を知っててプレイヤーの自分はイベントCGでもない限り知り得ない状態があると嫌いなんです。わかってくれる人いないかなぁコレ❗️
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 26, 2022
これは早瀬さんらしいこだわり。
エロゲの話?中学時代からギャルゲーのライターになるのが夢でした。ときメモ2とかサクラ大戦の影響です。結果的に夢が叶って今も割と幸せです。エロゲは文を読んだ時の想像力と絵や曲がついた時の臨場感もプラスすると最高にイカした媒体だと今でも思う。いいエンタメ
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 27, 2022
中学からギャルゲしてライター志望とかすごい!
エロゲの話。普段から男性慣れしていないヒロインを書くことが多いですが、逆に話すだけなら結構男慣れしているヒロインを書く方が好きです。妹とか幼馴染が入るかな。お互い最初から遠慮のない会話劇が好きなんです。2人でボケたりツッコミ入れ放題なので
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 28, 2022
漫画やアニメで言うと「宇崎ちゃん」とか「高木さん」みたいな?
エロゲの話。主人公がヒロインの部屋に遊びに行くイベントが好きです。逆パターンだとエロ本見つかったりが王道だけど、ヒロインの部屋に行って色々本人をからかいたい。ヒロインの部屋行くの好きな人勝手な想像だけど多そう
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) October 29, 2022
『つよきす』のカニの部屋に男友達と入りびたるシーン好きでした。
エロゲの話。日常シーンでは時々ヒロインのリアクションを引き出すためにゴキブリを登場させています。このゴキブリ結構便利でして、退治出来るか出来ないかでまずキャラが別れますし、その場にサブキャラやモブもいたら一緒にリアクションが拾えるのでかなりありがたい存在です
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) November 1, 2022
へ~。ゴキブリってこういう使い方するんですね。
言われてみれば他のライターさんのゲームでもゴキブリが出てくるシーン結構あるような気がします。
エロゲの話。ヒロインと2人きりの時ヒロイン側が周囲に対して恥をかきそうになった時、主人公をわざとボケさせて庇うようにしています。やっぱりヒロインのピンチには主人公に体を張ってもらわないと......❗️
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) November 2, 2022
やっぱ体を張る主人公は共感しやすいですね。
エロゲの話。自分が演出指示をする時の話。日常シーンでは普通使わない様なBGMをわざとギャグシーン作成のために使用します。軍事的なブリーフィング時に流れそうな曲とか、激しいバトル曲をヒロインがからあげを落としただけのシーンに使ったり。曲とシーンのミスマッチがギャグに繋がる事が多い
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) November 3, 2022
ゲームだとBGMって重要ですよね。
エロゲの話。企画を立てる時自分は先にヒロインの布陣を考えます。ここは完全に好みですが、主人公と立ち位置が近い幼馴染か妹、心を揺さぶる年下小悪魔、庇護欲をそそる年下、癒し系年上お姉さん、快活同級生が個人的にはベストです!やっぱ5人が好き
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) November 8, 2022
早瀬作品ってだいたい4~5人ですよね。「アマナツ」は3人だったけど。
やっぱ「ヒロイン5人」というのはエロゲにおける黄金比なんだなぁ。
というか幼馴染に年下小悪魔に庇護欲年下に年上お姉さんってまさにハーレムキングダムのことですね。
エロゲの話。仕事が一区切りついたので今アマナツを頭からプレイしています。自分はこれまで季節行事をあまり書いてこなかったので、天体観測やキャンプなど、あらためて色々な経験をさせていただきました。やっぱり季節イベントはCGがあると良いですね~
— 早瀬ゆう (@yuu_hayase) November 11, 2022
というわけでみんなアマナツやろうアマナツ!
アマナツセット15,400円 |
こういうクリエイターさんの生の声が聞けるのもSNSの良いところですね。
他のクリエイターさんのこういう話も聞いてみたいなぁ。







