今回紹介する作品は2013年にデビューしたブランド「HARUKAZE」の第2作、『ノラと皇女と野良猫ハート -Nora,Princess, and Stray Cat.-』。略称は「ノラとと」。
受賞歴は萌えゲーアワード2016キャラクターデザイン賞受賞、2chベストエロゲー投票2位(集計によって変動)。また続編の『ノラと皇女と野良猫ハート2』が萌えゲーアワード2017で大賞を受賞しています。
物語は地上に死をもたらすためにやってきた冥界の皇女が、主人公の少年を魔法で猫にしたところから始まるファンタジックラブコメ。
登場キャラクターたちとの面白おかしい日常シーンが繰り広げられる、いわゆる”キャラゲー”の代表作です。
ヒロインだけでなくサブキャラクターもいい味出しているので、ずっとこの世界に浸っていたくなるような魅力があります。
一般の漫画やアニメ作品でいうと『まちカドまぞく』や『ガヴリールドロップアウト』あたりが好きな人には刺さるのではないでしょうか。
全体的にポップで楽しい雰囲気ですが、時折しんみりした展開にもなったりとメリハリのついた飽きさせないシナリオが特徴的。
2017年にはTVアニメ化も果たしてます。日常シーンを中心にした各話5分弱のショートアニメ。
原作制作元のHARUKAZEが全額出資し、原作のシナリオライターが脚本を担当しているため、いい意味で好き勝手に作ったアニメです。第6話「世界平和」はもはや伝説(笑
- 明るくテンポの良いファンタジックラブコメ
- 愉快で魅力的なキャラクターたち
- 家族や友人をテーマにしたメッセージ性のある物語

購入ガイド
タイトル | 対応OS | 発売日 | 入手難度 |
---|---|---|---|
ノラと皇女と野良猫ハート | Vista 7 8 10 | 2016.2.26 | 易 |
ノラと皇女と野良猫ハート TVアニメ化記念特装版 | Vista 7 8 10 | 2017.2.24 | 易 |
ノラと皇女と野良猫ハート TVアニメ同梱通常版 | PSVita | 2017.9.28 | 易 |
ノラと皇女と野良猫ハート 2 | Vista 7 8 10 | 2017.10.27 | 易 |
ノラと皇女と野良猫ハート 1+2パック | Vista 7 8 10 | 2017.10.27 | 易 |
ノラと皇女と野良猫ハート HD TVアニメ同梱通常版 | PS4 Switch | 2018.10.25 | 易 |
ノラと皇女と野良猫ハート1+2 5周年記念コンプリートパック -5th Anniversary Edition- | 8 10 | 2021.2.26 | やや難 |
初回版にはビジュアルブックやサントラ、本編の一部シーンを掲載した台本が付属します。最初に発売されたのは通常版的なものはありません
1年後に発売した『TVアニメ化記念特装版』はB2タペストリーが付属。
CS版は特典として当時放送されたTVアニメのDVDが同梱されています。後に通常版も出ていますが、中古価格はそんなに変わらないですね。
『~2』は新キャラを加えたファンディスク的な続編。
これにもサントラやファンブック、台本が付属。
『1+2パック』は文字通り1と2をセットにしたもの。これにも『2』単体と同じ特典が付属します。(逆に言えば『1』に関してはゲームディスクのみ)
『1』『2』共にパッケージ版は本編ダウンロード用のシリアルコードが付属します。これを使えばディスクを開封せずにインストールできるわけですね。
『5周年記念コンプリートパック』は発売5周年を記念して作られたもの。2作分のファンブックと各種特典となっていたドラマCD等のボイスコンテンツをまとめて同梱。現在はややプレミア化しています。
今から買うならサントラが欲しければ初回版を。ただ同梱のサントラに収録されてる主題歌はショートVerなので注意してください。
手軽に買いたいならダウンロード版(FANZA独占)で。割引セールの常連なのでセール時に買ったほうがいいですが、だいたい30%OFF止まりなのでそれほどお得感はないですね。
以前一度だけまとめ買いの対象になったことがありますが、当分ないんじゃないかと。
『2』の出来がかなりいいので最初から『1+2パック』を買ったほうがいいかもしれません。
またFANZAではショートシナリオ100本を収録した『ネコのお考え100連発!!』が99円で販売されています。ただこれは本編の追加パッチなので単体では動作しません。またパッケージ版とDL版で互換性がないため、購入の際は間違えないようにしてください。
システム
画面下にテキストが表示される通常のADVシステムです。画面の解像度は1280×720のHDサイズ。
FANZAのDL版ではブラウザプレイにも対応しています。
基本的なシステムに加え、バックログからのシナリオジャンプや次の選択肢に進む機能などもそろっているので、プレイするうえでの支障はありません。
オートモードのウエイト時間もテキストの長さによって変わる安心仕様。
またセーブやロード画面ではトータルのプレイ時間も表示されます。
アスペクト比が16:9以外のディスプレイでフルスクリーンプレイするときは、表示されていない部分の背景を選ぶことができます。普通こういうのは黒帯になってしまうんですが、背景があると明るい雰囲気になりますね。最近は16:9以外のディスプレイも増えてきてますし。
キャラゲーらしく、エピソードの合間にはアイキャッチとタイトルコールが入ります。
話の切れ目がわかりやすく、中断しやすいのはいいですね。
ただお気に入りボイス登録機能はありません。この作品は結構印象的なセリフが多くて、「このセリフ残しておきたい!」と思うことが多々あったので、ボイス登録がないのはちょっと残念です。
またメッセージ送りやテキスト履歴以外のキーボード操作はできません。キーボード派の人は注意してください。
シナリオ

シナリオライターはHARUKAZEの代表も務める”はと”さん。
物語は地上に死をもたらす(要するに滅ぼす)ためにやってきた冥界の皇女・パトリシアが、地上の空気にあてられて倒れていたところを主人公・反田ノラに助けられ、なんやかんやあってノラを魔法で猫の姿の眷属にしてしまうところから始まるファンタジックなドタバタラブコメ。
ヒロインだけでなくサブキャラとのバカ騒ぎで腹を抱えて笑える作品です。ギャグシーンも変なネットスラングやオタクネタは出てこないので万人受けすると思います。プロローグからしてこの作品らしさ全開なので、体験版で雰囲気をつかんでおくのもいいかもしれません。
エピソードの切れ目には「ネコのお考え」という本編と関係ないショートコメディストーリーが挿入されます。
これは毎回選択肢によって見る/見ないをプレイヤーが決められることが多いので、ストーリーの流れを切りたくない人は一旦セーブしておいて後からまとめて見るのもいいかも。
恋愛描写ではいわゆるハーレム展開や三角関係にはならないので、基本的に一人のヒロインに集中して進めることができます。(パトルートは微妙にハーレムっちゃハーレムかも)
ヒロイン同士も仲が良く、ヒロインたちがガールズトークをしているシーンも多くてすごく雰囲気がいいんですよね。個別ルートで恋人同士になった後も、普通に女同士でセックスの相談をしていたりします。
笑える展開だけでなく、時折真面目でしんみりした話にもなりますし、個別ルートのラストも綺麗に〆られています。このメリハリがいいんですよ。
特に主人公である反田ノラは、唯一の肉親であった母親を数年前に病気で亡くしているという割とヘビーな設定。加えてヒロインたちもちょっと影のある過去があったりするので、台詞の一つ一つに重みがあるんですよね。
テキストで特徴的なのは、キャラの台詞中に「(手を引き)行くぞ!」「(手を引かれ)あ、ちょっと」という感じにカッコつきのト書きのような形で状況が描写されること。これによって地の文を減らして、会話シーンでのテンポがすごく良くなるわけですね。
描写が一言で済まされるので状況が多少わかりにくくなりますが、地の文が全くないわけではないですし、要所要所でナレーションによる説明も入るので問題ないかと。
この方式の意外なメリットとしてヒロイン視点へのシーン転換がスムーズなことがあげられます。
他の作品の場合、視点が変わると地の文が無くなったり文体が変わったりするんですが、この作品だと元々地の文が少ないので流れが途切れたりしないんですよね。むしろヒロイン視点になったこと(その場に主人公がいないこと)に気付かなかったりしますが、意外と違和感がありません。常に第三者視点で読んでいるような感覚になります。
グラフィック

メインの原画は大空樹さん。SD原画に日下部ハルカさん。
少し等身が低めの、ややデフォルメされたコメディ作品らしいかわいいキャラデザです。
キャラクターの髪の毛は金髪だったり白髪だったり赤毛だったりとカラフルですが、これは記号的な描写ではなく、実際にその色をしていることが明言されます。
CGモードで見られる絵は通常のイベント絵が89枚、SD絵が8枚、アイキャッチやヒロイン以外の絵が22枚。ただ一部CGモードで見られない絵があるっぽい?
イベント絵は1ヒロインあたり20枚ちょっとですが、約半分はHシーンなので、個人的にはもうちょっと日常的なイベント絵も欲しかった感じ。いやHCGが多いのもそれはそれでいいんですけどね。
キャラゲーでは珍しく、主人公であるノラの顔もたまにイベント絵で描かれます。
ただ見た目が中途半端に無個性なのであんまり主人公っぽく見えないかも。
むしろ猫の姿のときのノラのほうがデフォルメチックでかわいいので印象に残ります。
キャラクター

パトリシア・オブ・エンド
地上に死をもたらすため冥界からやってきた金髪の皇女。魔力の才能を持ち、様々な魔法を行使する。
勉強が好きで、地上に来てからは子供の作り方が書かれた「命の魔導書」(エロ本)に並々ならぬ興味を持つ。
黒木 未知
桜ヶ淵学園2年生で、真面目な性格の風紀委員。
学校の成績もよく、恋愛に関しても自分で調べてノートにまとめるほど勉強好き。
夕莉 シャチ
学園の2年生で白い髪の少女。とある経緯で主人公の家に家族同然で暮らす。
料理をはじめとする家事や天気予報が得意。口数は多いが感情はあまり表に出さない。
明日原 ユウキ
主人公の後輩で学園1年生。明るく友達の多い今どきのJK。
複数のバイトを掛け持ちして社会的な常識もあるツッコミ役。「(いらっ)しゃ(いま)ーせー」
反田ノラ
学園2年生で本作主人公。パトリシアにより猫の姿にさせられ、彼女の眷属となる。
母親の残した家に近所の子供たちを集めて宿題を教えたりする。
ノラの母
自宅で学習塾を経営していたが数年前に病気で他界。
6回離婚を繰り返すほど男癖が悪いが、街の人々や子供たちからは慕われていた奔放な女性。
これ以外に地元の極道の娘・高田ノブチナ、不良のような見た目だが男気のある井田、気弱な性格だが言うときは言う田中ちゃん、このメンバーがかつてノラ母の塾に通っていたいわゆる幼馴染。
この他にパトリシアの姉・ルーシアと妹・ユウラシアが主な登場人物です。
学校内のシーンはそんなに多くないのでわかりにくいのですが、ノラと同じクラスなのはノブチナ・井田・田中ちゃんの3人のみで、パトや未知は別のクラスになります。(ユウキやルーシア、ユウラシアは学年が別)
サブキャラのノブチナはすごく良いキャラですね。いつもふざけ合いの中心にいますが、いちばん友達のことを考えていて頼りになる姉御肌のキャラ。日常シーンではだいたい登場するので自然と親近感もわきます。続編の『2』にはノブチナがメインのルートがあるので是非プレイしましょう。
ヒロインと恋仲になった後も、ずっと名前の呼び方が変わらないのも特徴的。
キャラによっては苗字呼びを続けるんですが、こういうのも逆に良いですね。ユウキなんかはほとんどのキャラが「明日原」と呼ぶので、むしろ下の名前のほうは馴染みがありません。
シャチは逆に「夕莉」と呼ぶ人はいません。反田家の一員というイメージが強いので、逆に夕莉という苗字のほうに違和感があります。
ヒロインの中では明日原ユウキが個人的にお気に入り。
ノリの良いボケやツッコミは『9-nine-』の新海天を彷彿とさせます。声も波形レベルで似てますし。
この子はノラより1学年下の後輩キャラなんですが、普段からバイトしていたり東京に出ていた時期があったり過去にいじめられていた経験もあったりと、何気に人生経験が豊富。
だからこそ、たまにハッとさせられるセリフを言ったりします。
「もし理不尽なことがあるとして、そういう力を恨んじゃいけないんですよ。
例えばライターで、カチカチって。
例えばトイレに閉じ込めたり、例えば意味もなく服脱がされたり、盗まれたり。
猫だけじゃなくで、小さなものを痛めつけたり、殺したりしないと寂しさを埋められない人もいるってことを。
いるんですよ。必ずいる。減らない。でもそういう力を恨んじゃいけない」
確かにいるんですよね、そういう人。だからこそイジメやパワハラは無くならない。
ボイス
小鳥居夕花 / 高森奈津美(パト) | 遥そら / 仙台エリ(未知) | 神代岬 / 浅川悠(シャチ) |
桐谷華 / 種﨑敦美(ユウキ) | 院出華真衣 / 大地葉(ルーシア) | 卯衣 / 大橋歩夕(ユウ) |
はちみつこ / 山岡ゆり(ノブチナ) | 松手多代 / 木村珠莉(田中ちゃん) | 涼森ちさと(ナレーション) |
笹崎こじろう / 益山武明(井田) |
主人公以外フルボイス。
こう言っては何ですが、”二刀流”の声優さんが多くて最初からアニメ化を意識したようなキャスティングですね。
どの方も実力者ぞろいなので非常に演技が上手いです。ちょっとした間の取り方や強弱のつけ方がまさにプロの技。
台詞中のト書きもちゃんと演技に反映されています。
例えば(猫を抱え上げ)というト書きには、「(よ)ぃしょ」みたいな台詞にない声がアドリブで入っていたりするので、抱え上げる動きが目に浮かぶようです。
メインキャラの中で印象的なのがユウキ役の桐谷華さん。状況や感情を台詞に乗せるのが上手いのはもちろんのこと、JKらしいイントネーションが非常に心地いいんですよ。付き合うようになった後の「も、ばーかー」の言い方とか、いかにも恋人同士のイチャラブ台詞で脳がとろけます。なんでお気に入りボイス登録がないんだ!
ナレーション担当は涼森ちさとさん。
あえて年齢高めのおばちゃんのような声質で演じられているので、まるでホームドラマのナレーションを聴いているような気分になりますね。
ちなみにモブキャラ役に後の人気声優である明羽杏子さんが出演しています。どうもこの作品がデビュー作みたいですね。私の耳ではどのキャラなのかハッキリとはわかりませんが、多分女生徒の一人はこの方なんじゃないかと。
ここが明羽さんのサクセスストーリーの第一歩だと思うと感慨深いです。
BGM

サウンドモードで聴ける曲はボーカル曲を除くと45曲。
キャラゲーらしく明るく楽しい曲が多いですね。
個人的お気に入りはパトリシアの実家の城で流れる『冥界』。おとぎ話のように神秘的で不安を誘う三拍子のリズムがクセになります。
主にノラの家で使われる『夕暮れ』はのんびりしたアコギの旋律がノスタルジックな気分にさせます。
ジャズっぽいノリのいい曲調が印象的な『Problm』は聴くたびに「またノラたちが何かやったのか」と思わせる楽しい曲。
ピアノとストリングスが爽やかな旋律を奏でる『Reply』はいい意味でこの作品らしくない心が洗われるような癒し曲。タイマーセットして朝に流したい。
主題歌
タイトル | 作詞 | 作・編曲 | 歌 | 備考 |
---|---|---|---|---|
「野良猫ハート」 | はと | Drop | パトリシア・オブ・エンド(小鳥居夕花) 黒木未知(遥そら) 夕莉シャチ(神代岬) 明日原ユウキ(桐谷華) | OP ED |
「Re:Start!」 | 雪ノREN | RE-D | 雪ノREN | 挿入歌 |
「Brave Guardian」 | SHiKi | RE-D | 雪ノREN | 挿入歌 |
「僕が君を守る理由」 | 都乃 | 森リーモ慎之介 | 都乃 | 挿入歌 |
「月」 | はと | ぽみ | しろめ | 挿入歌 |
OPだけでなくEDにも使われる主題歌『野良猫ハート』はメインヒロイン4人が歌うキャラソン。ちょとしたアイドルソングのようにも聴こえます。
優しめのイントロから始まりますがサビの前後では力強く明るい曲調になり、ラスト前のパトのソロパートで感情を揺さぶられた後、最後にみんなで「の~らねっこっハ~トっと~どけ~♪」と歌い上げるという物語をなぞるような構成です。
エロゲーの主題歌にキャラソンというのはただでさえ少ないので貴重なんですが、歌っている面子を考えるともう二度と再現不能であろうことはちょっと寂しくもありますね。応援してたアイドルグループの一人が卒業して有名になり過ぎてしまったみたいな。
ちなみにCS版の主題歌も同じ曲ですが、クレジットは全年齢版のキャストになっています。声よく似てるな~。
単品販売されているサントラ『Open Heart』にはこの曲のフルバージョンだけでなく、各キャラクターによるソロバージョンも収録されています。
挿入歌はどれもしっとりとした感動的な曲。
終盤だけでなく割と序盤のシーンでも流れます。
どれもいい曲なんですが、連続で流れたりもするのでもうちょっと使いどころを絞っても良かったかも?
ムービー
プロローグ的な最初のエピソードの後にOPムービーが流れます。
ムービー制作は森井ケンシロウさん。この方はFlashアニメ出身のアニメーターさんで、アニメ版『ノラとと』の監督も務められています。(ムービー自体は静止画が中心)
キャラゲーらしくヒロインの紹介をメインにした、ポップで明るい構成。主題歌のソロパートに合わせて各ヒロインを紹介していくので、誰が歌っているかわかりやすくていいですね。
常に桜の花びらが舞っている演出も非常に季節感が出ています。
終盤にはみんなで花火を見ている印象的なシーンも使われていて、友人たちとの絆も意識されるという、作品の良さを凝縮したようなムービーです。
攻略
シナリオ中に2ヶ所出てくる選択肢でシナリオが分岐します。
選択肢の内容は予想が付きやすいものなので、そんなに迷うこともないかと。ちなみにパトルートとシャチルートは最初の選択肢が共通なので、一番上の選択肢を選んでください。その後、パトとシャチルートに分岐する2回目の選択肢が出てきます。
個別ルート中にも選択肢が出てきますが、基本的にHシーンや「ネコのお考え」を見るか見ないかの選択です。
個別ルートは4種類で、プレイするうえで特に制限はありません。
推奨攻略順はユウキ→シャチ→未知→パトリシア。
ユウキルートはいい意味でストレートなシナリオなので最初にプレイしたほうがいいと思います。
シャチルートでは最後にとある秘密が明かされるので後でもいいんですが、未知ルートの前にプレイすることでより味わい深くなるかと。
パトリシアルートはある意味グランドルートっぽいので最後に。
総プレイ時間はオートモードでゆっくりやって30~35時間くらい。キャラゲーとしてはやや長めでしょうか。
Hシーン

回想モードに登録されるHシーンは合計20個。
内訳はパトリシア7回、未知4回、シャチ5回、ユウキ4回。パトは3Pというかルーシアやユウラシアがメインのものも含んでいるので実質5回。
1回につきだいたい2~3枚のCGが使われます。
行為の内容は比較的オーソドックスで尺はやや長め。特に挿入する前の前戯や口戯が長いですね。ほとんどのキャラに口や胸でするシーンがあります。
胸は結構大きめ。というか基本的に巨乳キャラしかいません。貧乳なのはユウラシアくらい。乳輪もぷくっと膨れていて、エロマンガみたいに強調されている感じ。
お尻でのプレイはないためアナルモザイクもありません。ただアナルの描写がおちょぼ口みたいな形にデフォルメされているので、個人的にちょっと好みに合いませんでした。
行為の最中は各ヒロイン結構乱れた台詞を言うようになり、伏字・P音による修正が入ります。
感想

評判に違わず、個性的なキャラクターたちとのやり取りが楽しいコメディー重視の作品でした。単なるギャグ作品というわけではなく、ストーリー中の各エピソード終わりは、ちょっとしんみりしていい話風にまとめるのもこの作品らしいですね。
各個別ルートもそれぞれ描かれるテーマが異なっていて、プレイヤーを飽きさせない工夫が感じられました。
友達との日常の物語として
この作品ではノブチナをはじめとした気のいい友人キャラがとてもいい味を出しています。
『リトバス』(Key)や『マジ恋』(みなとそふと)に通じるような友情の物語ですが、それらの作品にいた恭介や翔一のような明確なリーダーのいない、いい意味で緩いグループです。強いて言うならノラやノブチナがグループの中心にいることが多いものの、2人とも積極的にみんなをまとめるようなキャラではないですね。これといったリーダーやルールがなくても自然とノラの家に集まっているという雰囲気が逆に心地いい。「仲間」というより「友達」という言葉がしっくりします。
特に友達の大切さをテーマにしたのがユウキルート。
このルートではユウキがとあるトラブルに巻き込まれます。それに対して友達1人1人がそれぞれの立場でユウキのことを心配していて、必ずしもみんな同じ行動をとっているわけではないのに一体感を感じます。
しかも友達を全肯定するわけではなく、悪いことは悪いと言ってくれるし、悩んで立ち止まってるときは少々強引に引っ張ってくれたりもする。
社会に出るとこういう友達って大切だなぁと実感しますよね。だからこそこういう物語に憧れや居心地の良さを感じてしまうのかも。
家族の物語として
友人関係と同じくテーマになっているのが家族関係。
特に未知ルートでは奔放なノラ母と、厳格な未知母との対比が印象的です。未知母は束縛の強い親ですが、別に毒親というわけではなく、言ってることは決して間違ってはいないんですよね。未知も母親を嫌っているわけではなく、むしろ感謝して大切に思っているからこその悩みが描かれます。
生前のノラ母も未知母と会っていますが、決して否定したりはせず、他人の考えを受け入れるようにノラを諭します。対称的な親子だけど対立しているわけではない、そんなマイルドな人間関係も読後感の良さに繋がっているかもしれません。
年をとると親の立場で物語を見ることも多くなりますが、自分もこういう親でありたいものですね。親になる予定はないけど…。
ノスタルジックな物語として
改めて振り返ってみるとコメディ・イチャラブ・シリアスのバランスが良く、全体としてすごく楽しい物語でした。気の置けない友人たちとの日常シーンは居心地がよく、いつまでもこの世界に浸っていたいと思わせます。
ノラの家にみんなで集まってバカ騒ぎした後、シャチが「ご飯の用意ができましたよ」と告げるシーンがよくあるんですが、こういうのは子供の頃に夕方まで友達と遊んだ時の記憶よみがえりますね。
まぁ自分の場合、さすがに友達の家で夕飯を食べることなんてほとんどありませんでしたが、夕食時に母親が迎えに来ることはよくありました。
こういうノスタルジックな雰囲気もあるからこそ、要所で入るしんみりとしたシーンや心に刺さる台詞が際立ちます。
メチャメチャ泣けるという話でもないんですが、家族や友人の大切さを再認識させられました。
伝わるメッセージもわかりやすく、変に説教臭くもないので初心者さんにも安心して進められる作品かと。
作品のジャンルとしてはヒロインたちとのラブコメに焦点を当てたキャラゲーなんですが、ただのキャラゲーにしておくのはもったいない、心に染み入るメッセージ性もある物語でした。
この作品だけでなく続編の『ノラとと2』もぜひプレイしましょう。特にノブチナルートはこの作品のテーマが凝縮している物語です。
ちょっと疲れたとき、こういう楽しくてハートウォーミングな作品をやると少しだけだけ活力がわいてきますよね。