『kannon』『AIR』『CLANNAD』といった泣きゲーを世に送り続け、円熟味も増してきた”Key”ブランドが放つ超大作『リトルバスターズ!』。略称は「リトバス」(18禁版は「リトバスEX」)。
今作のテーマは”友情”。最初は幼馴染5人で始まったチーム「リトルバスターズ」が、野球チームを作るために1人ずつ仲間を増やし、結束が深まることで徐々に”世界の謎”が明らかになっていくファンタジーストーリーになっています。
これぞKey、さすがKey、まさにKey、と言わんばかりのゲラゲラ笑ってボロボロ泣けるシナリオ、素晴らしいグラフィック、印象的な音楽、感動的な演出、どれをとっても一級品。
ヒロインだけでなく3人の男性キャラも魅力的で女性ファンも多いそうです。男の涙が描かれる作品にハズレはありません。
かなりの大ボリューム(DVD2枚組)なので気軽にプレイすることは時間的に難しかったりしますが、一般の美少女ゲームとは一線を画する「Keyのゲーム」としてじっくり腰をすえてプレイしていただきたい作品です。
- Keyらしく笑って泣けるシナリオ
- キャラの濃い男性キャラとの友情と青春
- シナリオが進むたび深まる謎
ブランド | Key |
ジャンル | 恋愛アドベンチャー |
発売日 | 2008.7.25 |
価格 | 8800円 |
シナリオ | 麻枝准 都乃河勇人 城桐央 樫田レオ |
原画 | 樋上いたる Na-Ga |
おすすめ度 | 90 |
シナリオ傾向 |
購入ガイド
タイトル | 対応OS | 発売日 | 入手難度 |
---|---|---|---|
リトルバスターズ! | 2000 XP Vista | 2007.7.27 | 易 |
リトルバスターズ!エクスタシー | 2000 XP Vista | 2008.7.25 | 易 |
リトルバスターズ! Converted Edition | PS2 | 2009.12.24 | 易 |
クドわふたー | 2000 XP Vista 7 | 2010.6.25 | 易 |
リトルバスターズ! Converted Edition | PSP | 2010.11.25 | 易 |
リトルバスターズ! Converted Edition | Vita | 2012.3.22 | 易 |
リトルバスターズ! PERFECT EDITION | XP Vista 7 8 | 2012.11.30 | 並 |
リトルバスターズ! Converted Edition | PS3 | 2013.3.20 | 易 |
リトルバスターズ! Converted Edition | Switch | 2020.4.23 | 易 |
PC版には全年齢版と18禁版が混在しているので注意してください。
最初に発売された『リトルバスターズ!』(無印)はアダルト要素の無い全年齢版。初回版にはブックレットとアレンジCDが付属します。
『~エクスタシー』はその名の通り(笑)、Hシーンを追加した18禁版。Hシーン以外にも攻略ヒロインが3人追加されています。こちらの初回版にはアレンジCD(無印とは別)とラジオCDが付属。
『~Converted Edition』は『エクスタシー』の内容からアダルト要素のみをカットした家庭用版。一部サブキャラの立ち絵も追加されています。
『~PERFECT EDITION』は家庭用版をPC用に逆移植したもの(全年齢版)。
『クドわふたー』はヒロインの1人、クドリャフカとのアフターストーリーを収録したファンディスク(Hシーンあり)。
今から買うなら18禁版の『エクスタシー』か全年齢版の『PERFECT EDITION』のどちらかを推奨。どうせなら18禁版がいいと思うのは男のサガですが、Hシーンといっても各キャラほんのちょっとだけなので、無理に18禁版にしなくても良いかもしれません。
Keyは残念ながら過去作の国内ダウンロード販売を終了してしまったので、この作品に関しては基本的にパッケージ版のみ購入可能です。ただ全年齢版に関してはPE版に準拠した『English Edition』がSteamで販売されています(日本語表示も可能)。
システム
ゲームエンジンはビジュアルアーツ謹製のRealLive。画面サイズは800×600。
メインのシステムはこれまでのKey作品と同様、頻繁に現れる選択肢を選びながらシナリオを進めていくAVGタイプです。
一通りのシステムは揃っていて、「前の選択肢に戻る」機能もありますが、ロード前の選択肢に戻ることはできません。
細かな機能として、オートモード中にマウスカーソルを動かすとその間はメッセージ送りが停止します。何気にこの機能は便利ですね。
今作は共通シナリオ中にミニゲームがいくつか現れます。主だったものはキャラクターたちが称号をかけて1対1の戦いを挑む「バトルランキング」と、放課後にバッティングの練習をする「野球ゲーム」。「バトルランキング」はほぼ運任せのゲームですが、「野球ゲーム」は少しコツが必要な上にルールもわかりにくいので最初はちょっと戸惑うかもしれません。ゲームの結果はメインのシナリオに影響しないので、それぞれ最初の1回以外はゲームパートをOFFにすることもできます。
これら以外にも1回だけのミニゲームとして仲間と協力して鈴を放り投げるゲームや、寮の食堂で昼食を作りまくるゲーム等もありますが、後者はちょっとめんどい。
これ以外に「エクスタシー」で追加された沙耶ルートでは「迷宮探索ゲーム」と「射撃ゲーム」があります。
迷宮探索ゲームは文字通り、様々なトラップが張り巡らされた地下迷宮を探索するもので、形としては「ウィザードリィ」や「ポートピア連続殺人事件」の迷宮をイメージしてもらえばよいかと。
射撃ゲームはその地下迷宮で遭遇する敵を銃で撃ちまくるもの。負けるとその階のスタート地点に戻されます。難易度調整は出来るものの、結構めんどくさいので、早くシナリオを楽しみたい人は射撃ゲームをOFFにしたほうが良いかもしれませんが、迷宮探索自体をOFFにすることはできません。
シナリオ
企画・原案およびメインシナリオ担当はKeyといえばこの人、麻枝准さん。その他個別ルート担当が都乃河勇人さん、城桐央さん、樫田レオさん。
物語は全寮制の学校を舞台にして主人公と幼馴染たちを中心に、仲間との絆や成長を描く学園青春ストーリー。ルートによってはかなりファンタジックな展開にもなります。
各個別ルートではそれぞれのヒロインの問題を解決していきますが、それと同時に少しずつ”世界の謎”も垣間見えるようになるKeyらしい構成です。
シナリオ構成は野球の試合のために仲間を集めてワイワイ楽しむ共通ルートと、各ヒロインとの絆を描く個別ルート、メインヒロインである鈴と”世界の謎”を暴いていくRefrainルートの実質3部構成になっていいます。まぁぶっちゃけKey作品でよくある形ですね。本格的に物語が動き出すのはRefrainルートからですが、共通ルートや個別ルートだけでも普通の作品以上のボリュームとクオリティがあります。
Key作品の特徴である泣きと笑いの絶妙なバランスが今作でも健在。
共通ルートでは仲間たちとの漫才のような掛け合いに腹がよじれるほど笑わされ、個別ルートに入った後でのシリアス展開とのメリハリが上手く効いてます。特にRefrainシナリオの涙腺破壊力は抜群。特に今作では誰も不幸にならない”爽やかな涙”を流すことができるので、鬱展開が苦手な人でも安心。
グラフィック
原画担当は、樋上いたるさん(小毬・来ヶ谷・葉留佳)と、Na-Gaさん(鈴・クド・美魚)の2人体制。
樋上さんの描くキャラ(特に小毬と葉留佳)は少女マンガのように目が大きくてキラキラしてる、いかにも樋上キャラといった感じで、Key作品に慣れた方なら一瞬で判別がつくくらい特徴的。
Na-Gaさん担当のキャラは目がくりっとしてて万人受けしそうなデザイン。
どちらのデザインも良いのですが、どちらかに統一したほうが良かったんじゃ?と思わなくも無いですね…。
恭介をはじめとする男性キャラは目が小さく、特に立ち絵だと正直ちょっと頼りなさげに感じます。慣れれば気にならないと思いますが、アニメから入った人は違和感を覚えるかもしれません。
キャラクター
棗 鈴
主人公たちの幼馴染で、ヒロインの中では唯一のリトルバスターズ初期メンバー。猫好き。
初対面の人間に対しては極度の人見知りだが、仲間に対しては鋭いツッコミを入れるほど心を許す。
神北 小毬
よく校舎の屋上でお菓子を食べている、マイペースでホワホワとした優しい少女。
いかにもギャルゲーっぽい間延びした口調が好みの分かれるところ。
来ヶ谷 唯湖
同級生ながら上からの物言いが多い姉御肌。おっぱいぼーん。
シャツのボタンをはずし扇情的な格好が特徴で、かわいければ女子にも手を出すが自分の恋愛には疎い。
三枝 葉留佳
頻繁に悪戯や騒ぎを起こし、風紀委員から目の敵にされているトラブルメーカー。
二木佳奈多とは因縁浅からぬ仲ですが、まぁぶっちゃけ見たまんまの関係。むしろ何で周りは気付かないのか不思議(笑
能美 クドリャフカ
祖父がロシア人のクォーターで帽子とマントを常備するロリっ娘。口癖は「わふー」。
親しくなると子犬のように懐いてくるので保護欲をかき立てる。
西園 美魚
常に日傘を差し、休み時間には木陰で本を読む物静かな少女。愛読書は若山牧水の短歌集。
BL好きの腐女子でもあり、男性メンバーで妄想することも。
棗 恭介
鈴の兄で、リトルバスターズのリーダー。
何か面白い”遊び”を思いつくとみんなを巻き込んで楽しむ兄貴分。
井ノ原 真人
理樹の親友で喧嘩に明け暮れる男。趣味は筋トレ。
チームのお笑い担当で、とりあえず何かあれば「筋肉!筋肉!」
宮沢 謙吾
幼馴染の剣道少年で真人の喧嘩相手。
一見すると良識派に見えるものの、誰よりもリトルバスターズを愛するバカ。
直枝 理樹
本編主人公。両親を失った子供の頃に恭介に助けられ、リトルバスターズを結成することになる。
メンバーの中では唯一の常識人でツッコミ役。
理樹・鈴・恭介・真人・健吾の5人がリトルバスターズの初期メンバーで、共通シナリオにおいてヒロインを1人ずつ仲間に加えて、最終的に10人のチームを作ることになります。
サブヒロインの二木佳奈多と笹瀬川佐々美はチームには入りませんが「エクスタシー」にて攻略キャラに追加。朱鷺戸沙耶は「エクスタシー」で登場の新ヒロインですが、存在ががちょっとイレギュラーなので他のキャラとの絡みがほとんどありません。
この作品の特徴として、登場するキャラのほとんどが同じ学校に通う学生ばかりであることがあげられます。一応個別ルートでは各ヒロインの親や血縁者が出てきて話に絡んだりしますが、共通ルートやメインである鈴ルート以降では基本的に”大人”は登場せず、子供たちだけで困難に立ち向かいます。これは”世界の謎”にもかかわっていることなので、プレイする際はそれを意識してみると面白いかもしれません。
ボイス
民安ともえ/たみやすともえ(鈴) | まきいづみ/やなせなつみ(小毬) | 一色ヒカル/田中涼子(来ヶ谷) |
涼森ちさと/すすきけいこ(葉留佳) | 若林直美/鈴田美夜子(クド) | 柚木かなめ/河原木志穂(美魚) |
風音/櫻井浩美(沙耶) | ||
氷河流/緑川光(恭介) | 水無月了/神奈延年(真人) | 長月優/織田優成(健吾) |
主要キャラフルボイス。主人公である理樹にも場面によっては声がつきます。一部のモブキャラには声がありませんが、名前のあるサブキャラには大体声がつきます。
初めは全年齢版だったので声優さんも表名義だったんですが、まぁ面子を見る限り最初から18禁化は織り込み済みだったんでしょうね。(ちなみに全年齢版のたみやすさんは初回版では田宮トモエ名義になっていますが同一人物です。また美魚役の河原木さんは出産のためアニメ1期のとき別の方に交代しています)
鈴役の民安さんは佐々美役と主人公の理樹役も兼ねていますが、特に何かの伏線というわけではありません(アニメ版では別の声優さんが担当)。この3人は直接絡むシーンが多いのに同じ声優さんを当てる理由が謎なんですが、民安さんの名演もあって全く違和感がありません。むしろ最初は気がつきませんでした。声優さんすげー!
男性声優もおなじみというか実力派の人ばかりで安心して聞いていられます。
ただ、一部のボイスは録音状態が悪いためか、ちょっとこもって聞こえることもあります。特に「エクスタシー」で追加された台詞は違いが顕著に聞こえますね
BGM
BGM担当はKey作品ではおなじみの折戸伸治さん、麻枝准さん、戸越まごめさん、それに加えてManackさん、PMMKさん、水月陵さんの6人。ボーカル曲を除くと全48曲で、曲の切れ目はなくエンドレスで流れます。音楽モードでは誰の作曲であるかがそれぞれ明記されています。
特に印象的なのは物悲しい雰囲気のときに流れる「ともしび」。イントロの部分で繰り返されるピアノの旋律が登場人物たちの心情を表してるように思えます。
そのほかの曲では、鈴のテーマでもある「RING RING RING」。仲間にだけ見せる鈴の明るいキャラをあらわしていて、後に鈴役の民安さんによってボーカル曲としてアレンジされました。
戦闘シーンや野球の試合のときに流れる「死闘は凛然なりて」も良いですね。Key作品では珍しいギターソロを使った戦闘系の曲なんですが、繰り返し聴いているとテンションあがります。
主題歌
タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 歌 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
「Little Busters!」 | 麻枝准 | 麻枝准 | 中沢伴行・尾崎武士 | Rita | OP |
「Little Busters! -Little Jumper Ver.-」 | 麻枝准 | 麻枝准 | 中沢伴行・尾崎武士 ・高瀬一矢 | Rita | ED |
「Song for friends」 | 麻枝准 | 麻枝准 | MintJam | Rita | ED |
「Alicemagic」 | 都乃河勇人 | 折戸伸治 | MintJam | Rita | ED |
「遥か彼方」 | 麻枝准 | 麻枝准 | Manack | Rita | 挿入歌 |
「Little Busters! -Ecstasy Ver.-」 | 麻枝准 | 麻枝准 | 中沢伴行・尾崎武士 ・MintJam | Rita | OP(EX) |
「Saya’s Song」 | 麻枝准 | 麻枝准 | ANANT-GARDE EYES | Lia | ED(EX) |
「Alicemagic -Rockstar Ver.-」 | 都乃河勇人 | 折戸伸治 | MintJam | Rita | ED(EX) |
ボーカル曲の多くを歌うのはRitaさん。
表題曲「Little Busters!」は正に青春真っ盛りといった感じで元気の出る良曲。バージョンの違いがいくつかあって、「エクスタシー」のOPである「Ecstasy Ver.」は曲調が若干異なります。オーラスで流れる「Little Jumper Ver.」は一部の歌詞が異なるので聴き比べると面白いですね。これ以外にもアニメバージョンがあるので計4曲存在することになります。
その他のED曲や挿入歌も仲間との絆を歌った素晴らしい曲ばかり。ほとんどの曲はボーカルレスのアレンジバージョンがBGMとして使われています。
唯一異色なのが「エクスタシー」で追加された沙耶ルートのED曲である「Saya’s Song」で、歌うのはKeyご用達の歌姫・Liaさん。ちなみにLiaさんはゲーム本編で巨大猫・ドルジの鳴き声も当てているそうです。まず気付かないけど(笑
ムービー
ムービー制作は「神月社」さんと「えん」さん。OPは本編CGを使ったオーソドックスなものです。攻略キャラが増えているぶん無印と「エクスタシー」以降では構成が若干異なります。
EDムービーはヒロインによってそれぞれ個別のものが用意されていて、オーラスのEDは若干アニメも入ります。
攻略
選択肢が非常に多い上に、選択肢自体も結果がわかりにくいので目当てのルートに入るのがちょっと難しくなっています。個別ルートに入るためのいわゆる「必須イベント」がたくさんあって、漏れがあると共通ルート後にバッドENDになってしまいます。これが結構大変なので、めんどくさければ最初から攻略サイトを参照したほうが良いかもしれません。
プレイ時間は大体70~80時間以上。かなりの分量なのでしっかりと時間をとってプレイしてください。私はおよそ90時間近く、日数にして2ヶ月ほどかかりました。
推奨攻略順は、小毬→葉留佳→クド→美魚→来ヶ谷→鈴。この順番で段々ファンタジー色が強くなっていきます。特に来ヶ谷はいわゆる”世界の謎”に深くかかわっているので後のほうに、鈴はその後の展開に繋がるので必ず最後にしてください。6つのルートを全て終えると最終シナリオである「Refrain」が開放されます。
「エクスタシー」以降ではRefrainクリア後に佳奈多ルート・佐々美ルート・沙耶ルートが開放。どの順番でもかまわないと思いますが、沙耶ルートは他と比べると(シナリオ的にもシステム的にも)異色な上に、かなり時間もかかるので最後にしたほうがいいかもしれません。
「エクスタシー」インストール後の初回プレイでは「世界の謎を知っているか」的なことを訊かれますが、これは無印プレイ済みの人向けのもので、「はい」を選択すると最初から全てのシナリオをプレイすることができます。ただ後から変更はできないので、未プレイの人は必ず「いいえ」を選ぶようにしてください。
Hシーン
18禁版である「エクスタシー」にはHシーンが入ります。キャラによってはBADエンドにしかHシーンがなかったり、いったんクリアした後に再プレイしないと見ることができなかったりするので、これも攻略サイト等を参照したほうがいいかもしれません。
Hシーンの内容自体も非常に薄いものなのでそっち目的では期待はしないほうが良いですね。
回数は各キャラ1~2回で、前戯のシーンは(Keyにしては)そこそこ丁寧に描写されますが、挿入してからはあっという間に終わります。理樹くん早すぎ(笑
ヒロインの反応も良くも悪くも初々しいもので、「気持ちイイ~」とか「イクゥ~」とか言いません。喘ぎ声すら少なく、終始痛がってる娘がほとんどです。ある意味リアルっちゃリアルですがさすがにちょっと罪悪感が・・・。
Hシーン専用コーラス付きBGM「Sha La La Ecstacy」は最初聴いたとき笑ってしまいました。
え~くすたし~♪え~くすたし~♪しゃ~ら~ら~え~くすたし~~♪
いやいい曲なんだけど、霜月はるかさんの無駄遣い過ぎる(笑
感想
Keyが満を持して放つ学園青春ストーリー。プレイした感想としては「ど真ん中に変化球を投げられた」という感じです。
これまでのKey作品というと主人公が社会人(AIR)だったり、学校を卒業した後がメイン(CLANNAD)だったりしましたが、今作ではほぼ全員のキャラクターが学校という限られた時間と空間で青春を謳歌していく物語が描かれています。
「学生時代は友達同士でバカやってた」なんてのは現実でもよく言われることですが、逆に言えばそれだけ「みんなでバカなことをやる」ことに対する憧れがあるのかもしれません。
そんな青春の1ページをKey作品特有の幻想世界で包み込み、仲間との友情やヒロインとの恋愛、そして主人公の成長をこれでもかというくらい時間をかけて丁寧に描かれたら、そりゃ涙がいくらあっても足りないくらい泣かされるってもんです。
美少女ゲームという枠を飛び越えて老若男女全ての人に体験して頂きたい、歴史に残る名作といっても過言ではないかもしれません。