美少女ゲームというと、基本的に選択肢を選んでテキストを読むだけというアドベンチャーゲームが当たり前だったりするんですが、そんな美少女ゲーム界隈でも少ないながら”ゲームとして遊べる”作品もあったりします。
今回紹介するのはそんな数少ない”遊べるエロゲー”の傑作、『VenusBlood:Lagoon』。略称は”VBL”。
制作は<ninetail>のサブブランド<dualtail>。
dualtail は『VenusBlood』シリーズのためにあるようなブランドで、これまで初代『VenusBlood』(2007年)を皮切りに、
『-CHIMERA-』(2008年) 『-DESIRE-』(2009年)
『-EMPIRE-』(2010年) 『-ABYSS-』(2011年)
『-FRONTIER-』(2012年) 『-GAIA-』(2013年)
『-HYPNO-』(2014年) 『-RAGNAROK-』(2016年) 『-BRAVE-』(2017年)
という感じでほぼ毎年のように新作を発表し続け、シリーズ11作目となるのがこの『:Lagoon』。(現在は最新作 『VenusBlood Savior』が発売中)
このシリーズのゲームシステムはヒロインを触手調教しつつ軍勢を率いて戦う戦略SLG。(純粋な調教SLGだった初代『VenusBlood』と『CHIMERA』、趣向を変えてRPGとなった10作目『-BRAVE-』を除く)
大まかなゲームシステムは過去作を踏襲していますが、ストーリー上のつながりはないのでこの作品からはじめても問題ありません。
物語は空に浮かぶ大陸ロディニアを舞台に、大陸中の国が神竜族と魔竜族という2つの陣営に別れて戦争を続けていた世界で、あるひとつの国が滅亡するところから始まる戦記もの。
魔法やモンスターの類が出てくるだけでなく、ヒロインのほとんどが角や翼を持つ”竜姫”だったり獣耳の獣人だったりと、かなりファンタジー色の濃い世界観です。もちろん触手もいっぱい出てきますよ!
パッケージ絵がいかにも”抜きゲー”といった感じなので安っぽく見えるかもしれませんが、作品としての完成度は非常に高いです。
ブラッシュアップされたゲームパートはもちろんのこと、ストーリーも洗練されています。これまでのシリーズは作品ごとにヒロインの”産卵”と”悪落ち”を交互にストーリーのテーマにしていましたが、今作ではヒロインが”産卵”もするし”悪落ち”もするというとても欲張りな内容。
ヒロインを犯して子どもを産ませ軍勢を強化するというコンシューマでは絶対無理なゲーム内容ですが、触手好き、産卵好き、悪落ち好き、SLG好き、どれか一つでも心に刺さるのであれば(時間をたっぷり取って)ぜひプレイしてください。単純にゲームとしても非常に面白く、ハマると100時間以上は余裕で吹っ飛ぶ”時間泥棒”な作品です。
- 中毒性の高いシミュレーションRPG
- 結末が異なる2つのストーリー展開
- 触手・産卵・悪落ちがテーマのHシーン

あらすじ
「全てを喰らえ! 復讐の竜姫よ──!!」
はるか昔、竜と魔の大戦”魔神戦役”によって世界は崩壊した。唯一残った大地は、蒼穹大陸ロディニア。今では、神竜族と魔竜族が覇権をかけて争う戦乱の地。
神竜族領エリーシス公国の公女ティアは、大神官ガシェルにあらぬ罪を着せられ、家族も故郷すらも失う。
そして自身も絶体絶命の中、突如現れた一人の男に窮地を救われる。男の名はザハーク。古の大戦で封印されたはずの魔神だった。
全てを失い復讐を誓う竜姫と、破壊と欲望に身を任せる魔神。
二人の行く末に待つのは救いか、あるいは滅びか──。
購入ガイド
タイトル | 対応OS | 発売日 | 入手難度 |
---|---|---|---|
VenusBlood:Lagoon | 7 8 10 | 2018.12.28 | 並 |
現在発売されているパッケージ版は一つだけ。初回版/通常版の違いはなく、通販でなら一応今でも新品で購入できます。ただ流通量がそんなに多くないので、中古ショップだと他のメジャーブランドと比べて若干手に入りづらいかもしれません。
初回特典の類は特にありませんが、予約特典には攻略小冊子が付きます。この小冊子は結構便利なので推奨したいところですが、ぱっと見で予約特典と認識しづらい地味なデザインなので、中古品の場合「予約特典付き」と表示されないことが多いと思います。「あればラッキー」程度に考えておいたほうがよいかと。攻略情報はネット上にもありますし。
今から買うなら中古のパッケージ版がお買い得。手に入らなければダウンロード版で。
ダウンロード版は各種DLサイトで配信されていて、ちょくちょく半額セールの対象になっています。よくある季節ごとの大型セールではなくnintail系列ブランド独自のセールとして行っているので、半額狙いの人は定期的にチェックしておいたほうがいいかも。
システム

現在の最新バージョンは「ver.1.34」。公式サイトで修正ファイルが配布されているので、パッケージ版の人は必ず当てるようにしてください。不具合修正だけでなくユニットの追加やゲームバランスの調整も行われています。
3Dグラフィックの類はないのでスペックの低いPCでもほぼ問題なく動作はすると思いますが、あまり低すぎると動作がもたつくこともあるかもしれません。
既読のシナリオはシーンごとスキップすることが出来ますが、内部的に読み込んではいるらしく、低スペックのPCだとちょっと時間がかかるかも。
システムは主にストーリーを進めるAVGパートとゲームパートであるSLGパートにわかれます。
AVGパートはストーリーがエピソードごとにまとめられていて(長さは各シナリオ10分前後くらい)、エピソードリストから任意に選ぶ形になっています。
各エピソードはメインストーリーとヒロイン別の個別ストーリーにわかれていて、メインストーリーはその名の通り本筋のシナリオを進めるもので、個別ストー リーは途中で出てくる選択肢によってヒロインの好感度が上がったり、その後のストーリーを決定するロウ値orカオス値が上がったりします。個別ストーリーを読むのは必須ではありませんが、ロウ値やカオス値が足りないと途中でゲームオーバーになってしまうので、めんどくさがらずにイベントをこなしていきましょう。
ちなみにですがエピソード選択画面では画面の左側に前回読んだメインストーリーの大まかなあらすじが表示されます。これは結構ありがたいですね。
そしてこの作品のメインともいえるSLGパート。敵ユニットが配置された拠点を1つずつ落としていくステージクリア型のゲームです。拠点間の移動は直線で結ばれていてワンクリックで進軍できるので、テンポよくゲームを進めることができます。
システムとしてはシリーズ3つ前の作品である『VenusBlood -HYPNO-』で採用された”レギオンバトル”をさらに進化させたもの。
これが結構複雑なもので、ヒロインに産ませた”眷属”と呼ばれるユニットを6人一組で”師団”を作り、それを3師団同時に戦闘に投入させることができるため、一回の戦闘で敵味方合わせて最大6師団36ユニットが入り乱れる戦いになります。
戦闘自体は基本的にクリックするだけの半オートで進みますが、ダメージ計算がかなり複雑。ユニットごとのステータスはもちろんのこと、各ユニットが持つパッシブスキルや戦闘時に溜まる”フォースゲージ”を使用することにより任意に発動できる”戦術スキル”によるバフ、ユニット同士の種族による相性や拠点の地形効果、昼夜や曜日による影響、師団ごとの”レギオンスタンス”による相性など、さまざまな要因によってダメージが決定します。
スキルや相性によっては低レベルの師団が高レベルの師団を一方的に屠ることも普通にあり得るので緊張感や楽しさもありますが、システムが複雑すぎて最初は何がどうなっているのかよくわからないと思います。
一応チュートリアル的なモードもありますし、PDF化されたマニュアルにも細かく説明されていますが、まぁ正直わかりにくいですね。
最初はわからなくても適当に突っ込ませて、ゲームを進めるうちに1つずつマニュアル等で確認しながら理解していくのがベターかなと思います。
シナリオ

シナリオ担当は企画・監督の”け~まる”さんを筆頭に、”イルカ”さん、”みぃ”さん、”オガタカ”さん、”あくまっこ”さんの複数体制。
人間よりもはるかに強い能力を持ち翼や角が生えた”竜族”と呼ばれる種族が支配する世界で、陰謀により国を滅ぼされた竜族の姫ティア=エリーシスが魔神ザハークと契約し復讐のために立ち上がる、という物語。
ザハークは女性の子宮に呪いをかける力を持っていて、ヒロインを犯して子供(眷属)を産ませることによって軍勢を拡大させることができるというエロゲのような設定です。
世界観としてはよくある”剣と魔法の世界”ですが、大陸各所で採掘される”ソーマ鉱石”という資源を灯りや燃料として利用されていて、それをエネルギー源として用いた機械文明も一部では発達しています。この辺の世界設定や大陸の支配体制などは序盤ではあまり説明されないので、ちょっとわかりにくいところがありますね。
特にそれぞれの国の位置関係はかなり理解しにくいです。というかどの国が大陸のどこにあるのか最後までよくわかりませんでした。
シナリオは章別構成で全8章+α。後半の第6章で王道を行く“ロウルート”と、覇道を行く”カオスルート”に分岐します。
ロウルートは倒した相手を仲間にして強大な敵と戦っていくという正に正統派と言える物語。それに対してヒロインが”悪落ち”するカオスルートでは目的のためなら手段を選ばず、敵対する国は住民もろとも皆殺しにしたり理性を奪って触手の苗床にしたりという、正にカオスな物語が展開します。
ゲームパートではたとえユニットのHPが0になっても死ぬわけではありませんが、シナリオ上は味方の眷属や兵士が戦闘のたびに多数死んでいることが描写されます。またヒロインの竜姫たちはそれぞれ固有の”竜装”という特別な武具を装備している設定ですが、ゲームパートでの竜装はレアアイテム扱いなので装備できるようになるのはゲーム終盤になってから。この辺は「ゲームはゲーム」と割り切ってプレイしましょう。
グラフィック

原画家さんは”いっせー”さん、丹下ゲンタさん、なるみすずねさん、椎咲雛樹(しいざきひなき)さん、トシぞーさん。デザインはほぼ統一されていて複数原画家による違和感はありません。
イベント絵は全部で110枚。戦闘時のCG以外はほぼHシーンのCGのみで、日常イベント的なCGは一切なし。この辺は抜きメインの作品として割り切ってる感じです。
戦闘シーンのCGもそれぞれのキャラ(男性キャラ含む)のキービジュアル的な絵が表示されるだけで、複数のキャラが絡むCGはほぼありません。エンディングにもイベント絵がほとんど用意されてなかったのはちょっと残念です。
CGのクオリティは物凄く綺麗というわけではないんですが、シリーズ初期の作品と比べれば格段に上手くなっています。各キャラクターのスタイルもシュッとしてますし、ティアの胸の形や大きさなんかはちょうど良くてまさに美乳という感じ。
ただ一部のCGはちょっと体のバランス悪いかなと思うこともありますね。性器の位置が前すぎたり後ろすぎたりすることも。
テキストは常に三人称視点で描写されるため、主人公(的な存在)である魔神ザハークにも立ち絵が表示されますが、魔神と言う割にはちょっとなよっとしているデザインです。
一応そうなった理由も説明されるんですが、もうちょっと勇ましい感じでもよかった気がしないでもない…。
キャラクター

ティア=エリーシス
本作のメインヒロインで、陰謀によって滅ぼされたエリーシス国の第一公女。
ユニットとしては守備力の高さを生かして味方を守るガーター。俗に言う”メイン盾”。
ロウルートでは種族による差別をなくし、復讐を果たした後はみんなが平和に暮らす世界を目指す優しい少女ですが、悪落ちしたカオスルートでは性格も見た目も一変します。
ちなみにカオスルートの服装エロすぎ。せめてパンツ履け(笑
アスタ
好奇心旺盛の魔竜族で、魔竜族領デルピュネの研究者。褐色巨乳の魔術師。
ユニットとしては直接的な攻撃力は低いものの、魔術による回復や戦闘支援が専門のヒーラー。
名前の元ネタはたぶん悪魔「アスタロト」。
ムムル
アスタの助手で魔道装甲列車ベヒモスの機関士。竜族ではなくガロード族でいわゆる獣人。
ユニット的には敵の反撃を受けにくいシューター。でもぶっちゃけ能力的にはイマイチ。
名前の元ネタはアステカの預言書に登場する怪物「チャク・ムムル・アイン」。ちなみにムムルの兄の名前がアインでチャクはムムルの使っている伝書鳩。
ピアサ=アルトン
ティアの親友で、若くして神竜族四天将に数えられる実力者であり、アルトン公国の国主。
ユニットとしては素早さの高さと複数回攻撃できるスキル”確率追撃”を生かした先制攻撃が得意。
名前の元ネタは北米の原住民に伝わるドラゴン「ピアサ」と、アメリカのバージニア州にある地名「オールトン」。
ヤマタ=クシナダ
神竜族四天将の一人で、東洋的な武士の国・クシナダ国の国主。
ユニットとしては純粋な攻撃力が高いだけでなく、味方の攻撃力を上げるスキルも持つ典型的アタッカー(ブレイダー)。
名前の元ネタは日本神話に登場する有名な「ヤマタノオロチ」と「クシナダヒメ」。
ヴィーヴル=ニヴェルネ
賢者の国ニヴェルネの国主。見た目はロリっ子だが実は四天将最古参。
ユニットとしては魔術による継続ダメージが得意なキャスター。
名前の元ネタはフランスのドラゴン「ヴイーヴル」。「ニヴェルネ」はフランスの地名。
ファフネル=フラグランド
神竜族の宗主国である神聖メスキア帝国の大将軍。全ての行動原理はエデン様のため。
ユニットとしては攻撃力特化のキャラで師団全体を攻撃する全域攻撃が特徴。敵として現れたときは対策必須。
名前の元ネタは北欧神話などに登場する「ファフニール」。アニメファン的には「ファフナー」のほうが有名かもですね。
エデン
神聖メスキア帝国の王で、全ての神竜族からの崇拝の対象。
ユニットとしては魔術攻撃が得意なキャスターであると同時に、全域攻撃に加え相手の防御を突破する次元斬撃のスキルを持ち、さらに時間を巻き戻す戦術スキル”パライゾ”まで持つチートキャラ。
レヴィア=ネフティス
神竜族と対立する魔竜族の将軍で戦闘狂。
ユニットとしては凍結攻撃が得意なアタッカーでありながら”師団支配”のスキルを持つため師団全体の強化も可能。
名前の元ネタは旧約聖書に登場する怪物「レヴィアタン」。英語読みした「リヴァイアサン」のほうが通りがいいでしょうか。
テュポーン
魔竜族領デルピュネの統治者であり、体が機械でできた機竜族の少女。つまりロボット娘。機械ですがちゃんと産卵もできます。
ユニットとしては範囲攻撃が得意で反撃を受けにくいシューターで、序盤から非常に頼りになるキャラ。
名前の元ネタはギリシャ神話に登場する怪物「テュポーン」。これはFFなどのゲームでもたびたび登場しますが、あんまり女の子っぽい名前ではないですね…。
ヴァジェト=ネフティス
覇国ネフティスを束ね、全ての魔竜族の頂点に立つ魔竜王でありレヴィアの実母。
ユニットとしてもレヴィアの上位互換で自身の攻撃力も高い。
名前の元ネタはエジプト神話に登場する女神「ウアジェト」。
マキュリア=ヴァーレ
魔竜族領ガンダルファの騎士でヒロインの中では唯一の人間。
ユニットとしては死者支配のスキルを持つため死者師団を率いさせたいキャラ。
ザハーク
旧世界文明を滅ぼした災厄の魔神で本作主人公。ティアと契約することにより現界し行動を共にする。
性格は粗暴で、女を犯すことにより子宮に呪いをかけ眷属を産ませることができる。
実質的な攻略ヒロインはこの中からヴァジェトとマキュリアを除く10人。
アスタとムムル以外のキャラは最初ティアと敵対するものの、ロウルートでは倒した敵はザハークに調教され仲間になります。ちょっとゲーム的ご都合主義かなと思わなくもないですが、まぁその辺も割り切りましょう。シビアな戦争がしたければカオスルートで。
戦闘ユニットの眷属は数百種類ありますが基本的にストーリーには絡んできません。ティアが最初期に産んだ子供だけちょろっと登場するくらい。また眷属のデザインは過去作品からの流用が多いです。まぁいちいち新規につくるわけにもいきませんしね。
ユニットの中には人間キャラもいますが、「何で竜姫と魔神の子供が人間?」なんて野暮な突っ込みをしてはいけません。
ボイス
藤堂みさき(ティア) | あかしゆき(アスタ) | 渋谷ひめ(ムムル) | 咲ゆたか(ピアサ) |
ひむろゆり(ヤマタ) | 星空ユメ(ヴィーヴル) | ももぞの薫(ファフネル) | 榊木春乃(エデン) |
青葉りんご(レヴィア) | 今谷皆美(テュポーン) | ヒマリ(マキュリア) | |
梅椿鬼 | 手塚りょうこ | 安堂りゅう | |
六条太助 | 小次狼 | 笹崎こじろう |
ザハーク以外主要キャラフルボイス。ザハークにも戦闘時は声が付きます。
キャスト陣は過去のdualtail作品とほぼ同じメンツ。まぁこういうのは中小エロゲブランドでありがち。
中でもあかしゆきさん、青葉りんごさん、ヒマリさん、手塚りょうこさん、安堂りゅうさんあたりはベテランさんで安心して聞いていられます。
その他の方は抜きゲーメインで活動されてる方が多いんですが、微妙に演技が拙い方もいますね。特にエデン役の人は(ロリババアという難しい役どころではありますが)もうちょっと何とかならなかったものか。新人さんというわけでもない、というかむしろキャリアは結構ある方なんですが…。下手とか棒読みとかそういうわけではないものの、抑揚がワンパターンなのでぶっちゃけ聴いてて飽きてきます。
BGM

BGM鑑賞モードで聴ける曲はボーカル曲を除くと68曲。1曲の長さは全体的に短めな曲が多い気がします。
こう言っては失礼かもですが意外と良い曲が多いです。特に戦闘シーンはテンションの上がりまくる曲が多く、ハズレがありません。しかも種類がめっちゃ多い。戦闘曲だけで十数曲はあります。
お気に入りは通常戦闘曲である「バトル1:漆黒の爪」。戦闘パートに入ったとき、開幕ダメージやスキルが発動して「さあこれから戦闘が始まるぞ」というタイミングでちょうどイントロの部分が終わってメインテーマが流れます。
中盤以降の戦闘で流れる「バトル7:天地創生」はどこか荘厳な雰囲気のする壮大な曲。FFシリーズのボス戦で使われてそうな曲調です。
敵のターン時に流れる「敵襲:迎撃」も飽きの来ない曲。最初は低いキーから始まり、段々と音が高く大きくなって疾走感のあるサビ(?)に繋がっていきます。
同じく敵ターン時の「敵襲:魔竜」はロック調の激しい曲。激しいシンセのイントロからエレキギターの熱いメロディが特徴的。
ボス戦のときに流れることの多い「敵襲:神竜」もシンセとエレキの旋律が熱く、いかにも決戦という感じ。
主題歌
タイトル | 作詞 | 作・編曲 | 歌 | 備考 |
---|---|---|---|---|
「Finding My Way」 | 天ヶ咲麗(solfa) | 伊吹ユキヒロ(solfa) | nao | OP |
「Everlasting Dream」 | 天ヶ咲麗(solfa) | 伊吹ユキヒロ(solfa) | solfa feat.小春めう | ED |
ボーカル曲のプロデュースはゲーム音楽制作チームsolfa。
OP曲「Finding My Way」を歌うのは元fripSideのボーカリストnaoさん。序盤はちょっとしんみりとした曲調ですが、サビにかけてだんだんと熱く盛り上がっていく曲です。
ED曲の「Everlasting Dream」物語をしめるにふさわしいしっとりとした曲。歌詞が思いっきり本編のネタバレなのでノーマルエンド時は聞き流したほうが良いかも。
ちなみにOxTが歌うアニソンと同じタイトルですが当然全く別物です。むしろsolfaのほうが先(笑
ムービー
ムービー制作はKIZAWAstudio。
基本的にゲーム内の立ち絵やイベント絵を加工したものを使うオーソドックスな作りですが、ティア軍と神竜軍、魔竜軍の三つ巴になることが示唆された熱いムービーになっています。
HシーンのCGも普通に使われているのでYoutubeでは見られませんが、chobitにアップロードされているのでそちらで見ることが可能です。
攻略

まずストーリーの攻略ですが、主にヒロイン別の個別イベントに出てくる選択肢により加算されるロウ値とカオス値により分岐し、ロウルートはさらにノーマルエンドとトゥルーエンドに分岐します。
個別イベントは通常のイベントと産卵イベントにわかれていて、行動力を消費することによって見ることができますが、1週目では全てのイベントを見ることはできません。
産卵イベントはヒロインの産卵数によって解放されます。全ての産卵イベントを見るにはヒロインあたり25回産卵させる必要があるんですが、結構手間がかかります。一応コストの低い眷属を産んでは退役を繰り返せば簡単に産卵数を稼げますが、ちょっと風情が無いですね…。
各 キャラの産卵イベントをすべて見て好感度を一定数まで上げると、ロウノーマルエンドから各キャラ(ティア以外)の個別エンドへ分岐させることが出来ます。 変わるのはエピローグだけなので複数キャラの好感度を上げておいて、エピローグ選択画面でセーブして一気に見たほうが効率的です。
ロウ トゥルールートに行くためには7章終了時点でロウ値とカオス値の合計が81を超えて、なおかつティアの産卵イベントを全て見た上で好感度を一定数まで上げ ている必要があります。1週目のプレイでも可能ではありますが、かなり意識してイベントをこなさないといけません。(ロウ値とカオス値、産卵数と好感度は エピソード選択画面で常に確認できます)
全てのヒロインの産卵イベントを見た後でロウトゥルールートへ進むと、ラストでハーレムエンドに分岐することができます。
ゲームパートの攻略は、先達の方々が作成してくれた攻略Wikiを参照してください。金払ってもいいくらい内容が充実してます。
■VenusBlood:Lagoon 攻略 Wiki
難易度はスタート時にベリーイージー・イージー・ノーマル・ハード・ベリーハードから選ぶことができますが、途中で変更もできるので最初はノーマルでいいか ともいます。ただ難易度の変更はエピソード選択画面でしかできないので、SLGパートに入る前のセーブファイルは残しておきましょう。万が一攻略に詰まっ たら難易度をイージー以下に落とせばSLGパートをスキップすることが出来ます。
一度エンディングを見ると最高難度の「ナイトメア」と、 各種難易度で敵のレベルを底上げする「バーサク」モードが追加。2週目以降はユニットのレベルと装備、ヒロインの産卵数を持ち越すことが出来ます。逆に資金や資源は持ち越すことが出来ないので、ラスボス前に使いきっておきましょう。
さらにロウ・カオス両ルートクリアでヒロインのユニットも最初から全キャラ使用できるようになり、SLGパートのみのチャレンジモード(全7ステージ)である「デウスモード」をプレイできるようになるなど、クリア後のやりこみ要素も豊富。
推奨攻略順はロウ(ノーマル)→ロウ(トゥルー)→カオス→ロウ(ハーレム)。カオスルートはロウルートのネタバレを含むので後にプレイしたほうが良いと思います。ハーレムエンドはお好みで。
個別エンドを含めた全てのエンディングを見ると、VBシリーズ恒例のちょっとしたオマケシナリオを見ることができます。
総プレイ時間は人によって大きく異なるでしょうが、スピーディーにやったとしても1周目で30~50時間くらい。3周くらいするとしても合計100時間程度はかかると思います。
私はダラダラと8周くらいして250時間以上かけてようやくCGをフルコンプしました。
Hシーン

基本的にこの作品は抜きゲーの範疇だと思うのでHシーンは非常に充実しています。
シーンの数は1キャラあたり4~9個くらいで全キャラ合計で86個。
内容は基本的に触手による陵辱で、一部はかなり過激な行為もあるので苦手な方はご注意を。伏字やピー音による卑語修正はありません。
一部のCGはモザイク無しのアナル描写がありますが、挿入時にはモザイクがかかります。アナルにモザイクがかかっていたら「これからお尻でするんだな」と思ってもらえれば良いかと(笑
産卵がテーマの作品でもあるのでほぼ全キャラに”腹ボテ”Hがありますが、数は意外に少なく各キャラ1~2回くらい。産卵といっても卵を植えつけるようないわゆる”借り腹”ではなく、ちゃんとヒロインの卵子とザハークの精子が受精して子宮の中で卵として成長します。
ただ行為の中でザハークが射精した直後に受胎して腹ボテ状態になり、その後すぐ産卵してしまうので、ちょっとやっつけ感はありますね。もうちょっとこう、「お腹の中で成長してる感」があればもっとそそるんですが。
ボテ腹のCGも「取ってつけたような」感じの絵が多く、正直あんまり上手くはないですし、構図によってはせっかくのボテ腹が隠れてしまうような絵もありました。
中には「さすがにその膨らみ方は無いだろ」と突っ込みを入れたくなるような雑な腹ボテ絵もあったのが残念です。まぁボテ腹のCGって意外と難しそうですけどね。
ちなみにですが母乳イベントはほとんどありません。全キャラ通じて2~3回くらいでしょうか。母乳好きとしては残念です。君らのおっぱいは何のためについてるんだ・・・。
感想

遊べるエロゲーといえばアリスソフトやエウシュリー、戯画のTEAM BALDRHEAD辺りが有名で、それらに比べるとブランドの知名度はやや劣るかなという感じですが、ゲームシステムは非常に洗練されていてやりごたえがあり、私としても久々にどっぷり嵌った作品でした。
SLGのシステムが複雑でユニットの数も膨大なのでかなりとっつきにくいですが、そのぶん戦略を考えるのが楽しく、編成画面や産卵画面で1時間近くあーでもないこーでもないと悩んだりすることがザラにあります。
単純にステータスを上げれば強いというわけでもなく、師団やレギオンのバランスを考えつつユニットやスキルを編成しないと高難度では勝つことが出来ません。攻撃力特化のユニットはロマンがありますが、ちゃんと防御も考えないと反撃されてあっという間に死んでしまいます。
敵キャラの中にも、ボスでもないのに妙に強い奴がしれっといたりするので注意してください。敵の触手師団に女性キャラで突っ込むと一方的に蹂躙されますし、”ルキフェル”のような特殊なキャラに無策で挑むと精鋭師団でも相手ノーダメージでこちらだけ全滅したりします。
またストーリーもロウルート・カオスルート共に読み応えがあり、シナリオを進めるごとに少しずつ謎が明かされていくので、先の展開が非常に気になる構成になってます。
特に後半の展開は目を見張るものがあり、ロウルートとカオスルートでストーリーが異なるため新鮮な気持ちで楽しめます。
ヒロインである竜姫たちの心の変遷も魅力の1つ。戦闘で打ち負かした後は当然「ぐへへ」な展開が待っているのですが、最初は「体は汚されても心までは・・・」と強気な発言をしていた竜姫たちが、ザハークの調教により段々と自分から快楽を望むようになって、やがては身も心もザハークにほだされていく様 はこの手のゲームの定番ながら非常にそそります。
また望まずに産まされた自身の子供に対しても、最初は戸惑っていた竜姫たちが段々と母親として自覚していく様が各キャラ丁寧に描かれているのも良いですね。
非常にやり応えのあるゲームパートに、先の読めないシナリオ展開、そして実用性十分の豊富なHシーン、どれをとっても満足度の高い稀有な作品で、ゲームもシナリオもエロも楽しみたいという欲張りな方に最適な作品かと思います。