ハードな陵辱作品を多く出してきた”CLOCKUP”制作によるインモラルハードADV「euphoria(ユーフォリア)」。タイトルのeuphoriaは「幸福感」や「陶酔感」という意味だそうです。
物語は主人公と数名の女性が突然白い部屋の中に閉じ込められ、強制的に主人公と性行為をされる、という理不尽な凌辱もの。
マイナーな名作エロゲとして度々話題になる作品なのですが、実はあんまり初心者向きではありません。
というのもこの作品、序盤はHシーンがメインなのですが、プレイの内容があまりにもハードかつマニアックなので普通の人はドン引きします。単なる陵辱ならマシなほうで、回数を重ねるごとにプレイ内容が高度化というかマニアックすぎる方向に行きます。排泄系のプレイも多いので、マジで吐き気を覚えるシーンも少なくありません。
ただこの作品が評価されているのは陵辱ゲーらしからぬ良質なシナリオ。中盤以降の二転三転とする物語はまさに息つく暇もないほどの展開が待っています。
- 閉鎖空間で行われる強制的な凌辱
- アブノーマルなHシーン
- 先の読めないシナリオ展開
ブランド | CLOCKUP |
ジャンル | インモラルハードコアADV |
初回発売日 | 2011.6.24 |
DL版価格 | 4,180円 |
シナリオ | 浅生詠 |
原画 | はましま薫夫 |
おすすめ度 | 80 |
シナリオ傾向 |
あらすじ
目を覚ますと、見覚えのない白い部屋にいた――
公式サイトより
白い密室に閉じ込められたのは、主人公・高遠恵輔と6人のヒロインたち。
幼なじみの帆刈叶、クラス委員長の安藤都子、後輩の蒔羽梨香、英語教師の葵菜月と、同学年の白夜凛音、そしてクラスメイトの真中合歓。
異常な状況に混乱する彼らに、突如として “謎の声” が告げる。
「これからゲームを開始します」
この部屋から脱出するためには、恵輔が “開錠者” となってヒロインの一人を “鍵穴” に設定し、指定された行為を行って “鍵を開ける” 必要がある。
その理不尽かつ過激で背徳的な行為の内容に、都子は逆上し、“謎の声” を激しく糾弾する。
突然の暗転。悲鳴をあげる少女たち。
再び白い空間が白い光で満たされた時、彼らの目に飛び込んだのは、グロテスクな拷問装置に拘束された都子の姿だった。(以下略)
購入ガイド
タイトル | 対応OS | 発売日 | 入手難度 |
---|---|---|---|
euphoria | XP Vista 7 | 2011.6.24 | 並 |
euphoria HDリマスター版 | XP Vista 7 8 | 2014.4.25 | 易 |
euphoria HDリマスター版 廉価版 | 7 8 10 | 2018.4.27 | 易 |
無印「euphoria」は紙製パッケージで特に初回特典の類はありません。ちなみに初回ロットではパッケージ絵のキャラは全員裸ですが、二次ロット以降では服着てます。
「~HDリマスター版」はその名の通り、CGの解像度をHD画質にしたもの。内容的にはほとんど変わりません。
今から買うなら廉価版も出ているHD版を推奨。
パッケ版もいいですが、ダウンロード版は安い上に定期的に半額セールの対象になってるのでおすすめ。
アニメ
4,200円
この作品は18禁OVAにもなってます。全6巻。
基本的にHメインの作品ですが、結末がゲームと違う(らしい)ので原作プレイ後に見ることをおすすめ。
ただし5巻以降のサブタイトルが盛大にネタバレしているのでプレイ前の人は決して検索したりしないようにしてください。原作ゲームのWikipediaすら見てはダメです。
システム
画面下にテキストが表示されるオーソドックスなAVGスタイル。画面サイズは無印が800×600、HDリマスター版が1024×768。HDリマスター版はシステム的に16:9のワイド画面にすることもできますが、CGは4:3のままでCGを画面の左に寄せて右端の部分に縦書きのテキストを表示 (逆も可能)させることも出来ます。
イベント絵が表示されるシーンでは任意の場所を拡大することも出来ますし、Hシーンでは「後どのくら いで出るか?」がわかる射精カウントダウン機能(非表示も可能)もあります。こういうのは抜きゲーならでは。もちろん、プレイ中にESCキーを押せば一瞬 でデスクトップ画面に戻る緊急回避システムも搭載されていますし、その際に任意の画像(仕事してる風な画像など)を表示させることも出来ます。
難点を言えば、オートモード時のウエイト時間が文字数に関わらず一定なのはちょっと使いづらいですね。
シナリオ
企画とメインシナリオの担当は浅生詠さん、サブで和泉万夜さん。和泉さんの担当は一部のルートのみらしいので、実質浅生さん1人で書かれたものと考えて良いかもしれません。
物語は主人公と5人の女生徒(実質的には4人)、及び1人の女性教師が見覚えのない白い空間に閉じ込められ、性行為を強要される(逆らったら死亡)という実に理不尽でわかりやすい”ゲーム”への参加を強制されるところから始まる閉鎖空間もの。
性行為の対象を誰にするかで5つのルートに分岐しますが、中盤以降の大まかな流れは各ルートほぼ同じで、いわゆる個別ルートが少なめ。なのでルート確定後も既読スキップを多用することになるんですが、たまに2~3行の未読の文で止まったりするのでちょっとテンポが悪いかもですね。
シナリオは明確な章別構成になってるわけではないのですが、大まかに3部構成になっています。最終ルートで2回目の大きな場面転換があったら、そこから先は一気にプレイしましょう。
グラフィック
原画担当ははましま薫夫さん。
この方は女性原画家さんなんですが、少女マンガっぽさはほぼないですね。
デザインとしてはあまり萌え萌えっとしたものではなく、一般漫画のような雰囲気です。ただキャラの顔立ちがかなり幼いので正直十代前半にしか見えません。
彩色は陰影のはっきりしたアニメのような塗りです。イベントCGでは全体的にボヤっとしたエフェクトがかけられています。
イベント絵は全部で84枚。CGモードでは全身の立ち絵(裸もあり)も見ることができます。
個人的な感想を言わせてもらえば、はましまさんの描く絵って凄く上手いんですが、今作では良くも悪くも媚びた絵が少ないので、正直あんまりそそる絵が少ないんですよね。HシーンのCGもだいたい体のどこかが隠れているのでちょっと使いづらい。
ちなみにスカ描写やグロ描写もありますが、設定によりOFFにすることも出来ます。個人的にスカは苦手なので切ってましたが、ONであってもモザイク越しになります。
キャラクター
真中合歓(ねむ)
最近学園に転校してきた2年生。
それまで接点がなかった主人公に対して強気で不遜な態度をとる。
帆刈叶
主人公と同級生で典型的な幼馴染。ネット上での通称はポカリ(笑
良くある設定のキャラですが物語的にはキーパーソンになります。
白夜凜音
同じく2年生で黒スト&黒髪ロングの美少女。個人的に見た目は一番好き。
口数は少なくいつも1人でいるが、言うべき事はズバズバと遠慮なく言う。
蒔羽梨香
学園の1年生で唯一の後輩。
甘え上手の末っ子キャラなんですが、正直ウザい。多分多くのプレイヤーが殺意を覚えるほど。
ここまでウザい後輩キャラを生み出したライターさんはある意味天才かもしれない。
葵菜月
学園の英語教師で閉じ込められた中では唯一の大人だがそれほど頼りにはならない。
通称鼻フック(笑
高遠恵輔
特殊な性癖をもつ主人公。
イベント絵では目元が前髪で隠れている古風なデザインです。
主なキャラはこの6人以外に冒頭に登場する委員長のみ。ここまで少ないのは意外と珍しいですね。
返す返すも梨香がウザイ。マジでクソウザイ。うんこでも食ってろガキ。
ボイス
青空ラムネ(合歓) | ヒマリ(叶) | 杉原茉莉(凜音) | このは(梨香) |
御苑生メイ(菜月) | 東かりん(都子) |
主要キャラフルボイス。といってもキャラが少ないので声優は6人だけ。
割と経験のある方たちです。絶叫シーンが多いので声優さんの喉が心配。
梨香役の”このは”さんはマジで凄い。本気の”ゲップ”音を聴くことができます。エロゲ声優さんってこんなこともできるんですね…。
この作品はシステムボイスも任意に設定できるんですが、私は常に菜月にしてました。どこか憂いを帯びた「ユーフォリア・・・」というタイトルコールが凄く良いんですよ。やっぱ御苑生さんの声好きやわ~。
BGM
BGM作曲は上原一之龍さん。曲数はボーカル曲とそのインスト曲を除くと14曲とかなり少なめ。
不安をかき立てるような曲が多く、落ち着いた曲は『休息』の一曲のみ。
何気に一番お気に入りなのはタイトル画面で流れる曲で、実はこれ主題歌のインストバージョンなんですね。ピアノによる寂しげなイントロから始まって段々と壮大な曲調になっていきます。
主題歌
タイトル | 作詞 | 作・編曲 | 歌 | 備考 |
---|---|---|---|---|
「楽園の扉」 | Takt-w | 上原一之龍 | 青葉りんご | OP |
主題歌を歌うのは声優の青葉りんごさん。合歓役の青空ラムネさんとは波形レベルで声が似ています。
りんごさんって結構歌も出してるんですね。音楽モードでFullバージョンを聴くことが出来ます。間奏で流れるバイオリンがめちゃカッコイイ。
決して悪い曲ではないというか世間的にはむしろ名曲と言われてるんですが、個人的にはどうしてもタイトル画面で流れるインストバージョンの印象が強すぎて、「BGMに歌をのせた感」が否めませんでした。歌詞はテーマに合ってますし、曲自体も凄く良いんですけどね。
ムービー
プロローグの後にOPムービーが流れます。微妙にHシーンのCGが使われているので、Youtubeでは視聴に年齢制限あり。
作中のCGや背景を加工したものを使ってるんですが、微妙に動かしたりして立体感のある作りになっています。
攻略
物語中に出てくる選択肢によりシナリオが分岐します。BADエンドになる選択肢もありますが、わかりやすいものがほとんどなので迷う事はないと思います。
それ以外に”鍵穴”(陵辱シーンの相手)を選ぶシーンがあるんですが、これは素直に行きたいルートの相手を5回連続で選んでください。叶ルートのみロックがかかっているので他の4人をクリアしないと選ぶ事はできません。
推奨攻略順は梨香→凜音→菜月→合歓→叶。合歓はある意味本命シナリオなので4人の中では最後に、菜月もややネタバレなので後のほうが良いかと。
総プレイ時間は25~30時間くらい。Hシーンをどの程度じっくり読むかによってプレイ時間はかなり変わってくるかもしれません。私は好みに合わないシーンはクリック連打してました。
攻略難易度的には低いと思いますが、最終ルートではなかなかTRUEエンドにならなくて迷う人も結構多いんじゃないかと思います。というか私は迷いました。 あの選択肢の出し方は卑怯(褒め言葉)。まぁだからこそ、正解にたどり着いたときにゾクッとするので、出来るだけ攻略サイトは見ないほうが良いかも。
ちょっとだけヒントを言うと、”テキストの既読判定は間違いじゃありません”。
Hシーン
さて問題のHシーン。ハッキリ言ってメチャクチャハードです。ユーフォリアがユーフォリアたる所以。
回想モードで見られるHシーンは各キャラ10~14シーンほどありますが、そのうちほとんどが陵辱ないし強制Hで、和姦と呼べるのはそれぞれ1~2シーンほど。
モザイク無しの陰毛とアナル描写があり、伏字やピー音による淫語の修正も一切ありません。挿入時には断面図描写もあります。
また、一部のキャラにはいわゆる”ひょっとこフェラ”があります。正直私これ苦手。
陵辱プレイの内容も酷いというかマニアックで、普通に挿入して陵辱することって実はそんなに多くありません。ソフトなものは口でしたり胸でしたり足でしたり というまぁ良くある感じなんですが、ハードなものとなると首絞めによる窒息プレイや鞭によるスパンキング、体を固定しての人間便器、体中に電極をつけて感電プレイなど、回数を重ねるごとにマニアックになっていきます。
ヒロインを物理的に痛めつけるリョナ描写もありますが、後の作品の『Maggot baits』ほどではなく、ややマイルドな(?)リョナです。
この作品はHシーンも良いということで有名なんですが、私個人の感覚で言わせてもらえれば、スイマセン、全く使えませんでした。陵辱は嫌いじゃないんですが、シチュエーション的にそそるものがほとんどなかったんですよね。特にスカトロプレイは個人的に全く受け付けなかったので、ただただ気持ち悪いだけでした。いや、ただ出すだけならともかく食糞って誰得やねん・・・。
感想
ハードな陵辱ゲーでありながらシナリオも非常に濃厚なことで評判なこの作品。CLOCKUPはこの作品以降、シナリオも評価されることが多くなったので、ある意味ブランドにとってもターニングポイントとなる作品となりました。
主人公とヒロインが閉じ込められて性行為を強要されるというストーリーは、まぁ陵辱ゲー界隈ではよくあるっちゃある展開なんですが、そこから文字通り二転三転する先の読めない物語は目を見張るものがあります。
ただ正直なところ設定的に少々強引なところもありますし、クリア後に全体を振り返ってみると、なんとなくスタート地点を先に作って後からゴール地点をくっつけたような感じはありますね。欲を言えば序盤からもう少しわかりやすい伏線を散りばめられていたら、もっとカタルシスが得られたかも。
ただの凌辱ゲーではなく、シナリオも楽しめる凌辱ゲーを求める人にはうってつけ。
ストーリー自体のテーマは究極の献身。たとえ愛する人に憎まれたとしても、相手のために愛を貫くとあるキャラの決意に涙を禁じえません。
内容的にコンシューマ化は絶対不可能で、まさにエロゲーでしか表現出来ない作品ではありますが、こういう尖った作品もたまには良いものです。
でもやっぱりうんこはキツイ・・・。