新興ブランド”Lose”による、高知県の山村を舞台にした作品『ものべの』。
妖怪が当たり前のように人々と共に暮らす、ファンシーな世界観になっています。
なんといってもこの作品の特徴はロリ。メインヒロインであり主人公の実の妹でもある夏葉はどう見ても小○生。そして家守妖怪である”すみ”に至っては夏葉よりもさらに幼い外見をしています。そしてHシーンも使いきれないほど豊富。そういう意味ではやや上級者向けの作品といえるかもしれません(笑
もちろんただのロリゲーというわけではなく、シナリオも上質。夏葉が一晩で大人の女性に成長してしまうという異常事態に対して、元の体に戻すために悪戦苦闘する主人公たちを丁寧に描いています。
ロリ好きの紳士のみなさんはもちろんのこと、読み物としても普通に面白いので一度試していただきたい一品。
ただし、この作品によって世間に後ろ指を指される特殊な性癖に興味を持つことになっても当方は責任を持てません・・・。(この作品の登場人物は全員18歳以上です)
以下、『ものべの-happyend』の紹介になります。
- 田舎の村を舞台にした妖怪ファンタジー
- ロリっ子に対するこだわり
- 大量のCGとHシーン
ブランド | Lose |
ジャンル | シネマティックノベル |
発売日 | 2012.4.27 |
DL版価格 | 7124円 |
シナリオ | 進行豹 詠野万知子 |
原画 | cura |
おすすめ度 | 80 |
シナリオ傾向 |
購入ガイド
タイトル | 対応OS | 発売日 | 入手難度 |
---|---|---|---|
ものべの | XP Vista 7 | 2012.4.27 | 並 |
ものべの -happy end- | XP Vista 7 8 | 2013.10.25 | 易 |
ものべの -more smile- for Natsuha | XP Vista 7 8 | 2014.4.25 | 並 |
ものべの -more smile- for Sumi | XP Vista 7 8 | 2014.6.27 | 並 |
ものべの -more smile- for Alice | XP Vista 7 8 | 2014.8.29 | 並 |
ものべの -pure smile- | Vita | 2014.9.25 | 易 |
ものべの -more smile- | XP Vista 7 8 | 2014.12.19 | やや難 |
ものべの-happy end & more smile-セット | XP Vista 7 8 | 2014.12.19 | やや難 |
まいてつ&ものべの仲良しセット | Vista 7 8 10 | 2016.3.25 | 易 |
最初に発売された無印には初回特典としてサントラが付きます。また予約特典にはHシーン大増量ディスクも付属。
「~ happy end」は無印の各個別ルートをリライトし、さらにアフターストーリーを加えたもの。無印予約特典の内容も含まれています。
【豪華版】【通常版】【普及版】の3種があり、豪華版はその名の通り各種豪華特典(抱き枕カバー・ボーカルCD・ドラマCD等)が付いているかなり大きなパッケージで値段も高め。
通常版と普及版はコンパクトなデジパック仕様。普及版にはボーカルCDとドラマCDがデフォルトで付属しますが、通常版には付属しません(通常版のボーカル・ドラマCDは予約特典扱い)。パッケージの見た目では区別が付かないので注意してください。
「~more smile」は3人のヒロインそれぞれのショートストーリーを収録したファンディスク。これもそれぞれ豪華版と通常版があります。(ちなみに「for Alice」の中古価格は他の2つと比べて何故か低め・・・)
「~pure smile」は「happy end」をベースにした全年齢版。
「仲良しセット」はLoseの次回作「まいてつ」とセットになったもの。通常版とリマスター版があります。
またDL版では「happy end」本編と特典のボーカル・ドラマCD、さらにファンディスクの「more smile」3本を全て収録した「ものべの 全部入り」が各種DLサイトで配信されているので、今から買うならこちらを強く推奨。定期的に500円セールの対象になっている上に、一部の実店舗(ソフマップ等)ではダウンロードコードが常時500円で販売されています。安すぎ!!
システム
パッケージにはHDD 20GB以上推奨、なんて恐ろしいことが書いてありますが、さすがにそこまで必要ではありません。せいぜい8G弱程度です(それでも凄いですが)。画面サイズは1280×720のワイド画面固定。
何気にこの作品、システム関係がメチャクチャ充実しています。テキストやサウンドの調整はもちろんのこと、立ち絵だけでなくイベントCGでも”目パチ口パク”を完備(頻度の調整も可能)。
シナリオはエピソードごとにまとまっているのですが、進行状況が画面下部のシークバーに表示される(非表示も可能)ので、あとどのくらいでエピソードが終わるのかがわかるようになっています。個人的にこれは非常にありがたい。
また一度見たエピソードはシーン回想モードに全て登録される上に、任意の位置から開始できるのでお気に入りのシーンをすぐ見ることができます。
ちなみにウチの環境(Win7 32bit)だと、初回起動時に「d3dx9_43.dllがないため、プログラムを開始できません」みたいなエラーメッセージが出ましたが、何もせずとも普通に最後までプレイできました。(ひょっとしたら何かの演出がカットされてるかもしれませんが)
シナリオ
シナリオライターはメインで進行豹さん、サブで詠野万知子さん。
物語は犀玉(何故か偽名)の医大に通う主人公が、妹の夏葉と共に生まれ故郷である高知県の山村・茂伸村に帰省したところ、突然夏葉が大人の女性に異常成長。このままだとあっという間に老化してしまうので、村の人々や妖怪たちの力を借りて夏葉を元の体に戻すという、現代を舞台にしたファンタジーストーリー。
個別ルートは3つありますが、アプローチが異なるだけで「夏葉を救う」という最終的な目的は同じです。
「~happy end」の名の通り、シナリオ構成は無印『ものべの』のシナリオを加筆修正したもの。誰もが幸せになるようなAfterストーリーを追加されていて、流れとしては 「共通ストーリー」「個別ストーリー」「アフターストーリー」の3つに分かれています。「個別」と「アフター」の間に切れ目はなく、連続した物語が展開します。
ライターさんが新人さんなせいか、ちょっと文章に稚拙なところがあるように感じました。
序盤は割とどうでもいい話をじっくり丁寧に描写したと思ったら、終盤になると極端に時間が飛んだりします。何の前触れもなく数ヶ月、場合によっては数年単位で時間が過ぎていることもあるので、かなり戸惑いますね。
また、地の文であっても会話文のような書き方をしていて、助詞を省略したり変な倒置法を使ったりびっくりマークを多用したりしています。正直読んでてちょっと疲れることも。
あと「ってか」使いすぎ(笑
グラフィック
原画はcura(くら)さん。
あまり萌え萌えっとした感じではなく髪の毛の色もシンプルなので、万人受けしそうな絵柄です。イベント絵も変に媚びたポーズを取ることがなく、日常シーンのひとコマを切り取ったような落ち着いた構図が多いですね。
また、メインキャラの服装が非常に豊富なのもこの作品の特徴。
普通この手のゲームでは私服の種類は1種類か多くてもせいぜい2~3種類で、「実質ほぼ毎日同じ服を着続けてしまう (けどちゃんと着替えてるからプレイヤーで脳内補完してね)」というのが暗黙の了解。ところがこの作品では多いキャラで6~7種類もあって、夏葉とありすに関してはちゃんと毎日服装が変わります(すみは毎日同じ柄の着物)。何気にこれって凄いことですよ。
キャラクターだけでなく、背景のCGも素晴らしい。田舎が舞台ということで自然あふれる山の風景が多く描かれています。CG自体が非常に細かく書き込まれている上にサイズも大きいので、アップにしたり微妙に動かしながら話を進めるという演出が可能になっていますね。
キャラクター
沢井夏葉
主人公の妹で、おそらく小○生。どこからどう見てもロリ。
性格はしっかりしているものの、そろそろ背伸びしたいお年頃。
すみ
主人公の実家に住む”あかしゃぐま”という妖怪だが、見た目は人間の少女。
夏葉よりもさらに幼い外見ながら、年齢は主人公より上で家事の一切を取り仕切るしっかり者。
有島ありす
主人公の少し年下で幼馴染。村唯一の病院である有島診療所の一人娘。
正直良くある設定ではあるけど、ロリメインのこの作品においては他のヒロインの面倒を見るお姉さんキャラ。
沢井透
本編主人公で夏葉の実の兄。都会の大学に通う医大生。
エロゲーの主人公としてはちょっと真面目すぎるかなと思わなくもない。
飛車角
すみと共に沢井家にすむ妖怪。いわゆる唐傘お化け。
年齢的にも性格的にも沢井家におけるお爺ちゃんのような存在。
この他にも人間・妖怪問わず、たくさんのキャラクターが登場します。
村の中では人間と妖怪が当たり前のように共存しますが、世間的にはほとんど認知されていないようなので、やや浮いた世界観という印象があります。ルートによっては村の外で話が進むので余計にそう感じますね。
ボイス
杏子御津/門脇舞以(夏葉) | 佐倉江美/永井真衣(すみ) | ヒマリ/朋永真季(ありす) |
篠原ゆみ/南月悠奈 | かわしまりの/瑞沢渓 | 鈴田美夜子/若林直美 |
一色ヒカル/田中涼子 | 桐谷華/種﨑敦美 | 宮沢ゆあな |
陸奥出流/小尾元政(透) |
主人公含め全キャラフルボイス。主人公のボイスはHシーンのあるエピソードでは(そういう行為に及んでいなくても)丸ごとカットされます。
メインヒロインの夏葉を演じるのはロリっ子ボイスでおなじみの杏子御津さん。夏葉は成長具合によって大・中・小の三段階に変化するのですが、見事に演じ分けられています。
すみ役の佐倉さんとありす役のヒマリさんも実力は十分。サブキャラにも一色さんやかわしまさんといったベテラン勢が名を連ねています。
またこの作品では土佐弁を話すキャラが多いんですが、高知県の方はどう聞こえるんですかね? 自分は坂本竜馬関係でしか知らないので特に違和感はなかったんですが。
ボイス関係で唯一残念なのはありすの父である尚武先生役の方。感情を表に出すキャラではないとはいえ、ちょっと棒読み過ぎのような気がします。
調べてみたらネット声優として活動されてる方のようですが、他のキャラが良い演技の方ばかりなので非常に目立ちますね。頻繁に登場する需要キャラなんだから、もう少し何とかならなかったものでしょうか・・・。
BGM
音楽担当は「STUDIO SYNC,BEAT SYSTEM」と「ちさと」さん。
音楽鑑賞画面で聴くことのできる曲はなんと130曲(ボーカル曲を除く)。ただ、細かなバージョンの違いも別曲として登録されているので正味の曲数はその半分くらいでしょうか。それでもかなり多いですが。
作品の雰囲気に合わせて落ち着いた感じの曲が多いですね。そのせいか曲数の割りに印象に残った曲はあまり多くはありません。正直、後で聴き直しても「こんな曲あったっけ?」と思うこともしばしば。
そんな中でもお気に入りは、異世界の雰囲気漂う「レクヰエム」、アコースティックギターで奏でる日常曲「風待ち」、Hシーンでもかかる「翠蓮」。
主題歌
タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 歌 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
「夏果」 | aruy | 岩野道拓 | Team-OZ | 佐藤ひろ美 | OP |
「ものべののうた」 | Team-OZ | Team-OZ | Team-OZ | 西沢はぐみ | OP |
「千の古」 | 神凪琉榎 | 神凪琉榎 | Sake | ||
「涼風」 | 衛児 | 衛児 | 上条ひずる | ||
「明日今日よりもずっと」 | 神凪琉榎 | 神凪琉榎 | 小鳥遊まこ | ||
「みんなのわ」 | Team-OZ | Team-OZ | Team-OZ | 西沢はぐみ | ED |
「みんなの笑顔」 | 氷青 | ED | |||
「君と紡いでいく物語」 | 小林民府 | Team-OZ | Yut,imasuke | prico | ED |
ボーカル曲も大ボリュームの全8曲。音楽鑑賞モードで全曲Fullバージョンを聴くことができます。
ただ8曲のうち「千の古」「涼風」「明日今日よりもずっと」の3曲は無印で使われたもので『happy end』本編では使われていません。(「夏果」のみ共通)
「ものべののうた」をはじめとする『happy end』で追加された曲は、良い意味で全くエロゲっぽくないですね。なんだか「おかあさんといっしょ」に出てきそうな、思いっきり子供向けの歌詞と曲調です。「も~の~べ~の~の~うた~♪」
夏葉ENDで流れる「君と紡いでいく物語」は個人的にもお気に入り。物語の〆にふさわしい爽やかな曲になっています。
ムービー
ムービー制作は「ろんず」さん。OP曲に合わせて立ち絵やイベント絵を加工したものを流すシンプルなものです。
すみルートで流れるものが「happy end」で新規作成されたもの。夏葉ルートで流れるものが無印と共通のムービーです。何故かありすルートではOPムービーが流れません。
攻略
「シ ネマティックノベル」の名が示すとおりゲーム性は皆無で、選択肢も共通ルートの最後に1つしかありません。その唯一の選択肢も、ありすとすみのどちらの意見を聞くかというもので、要するにありすルートかすみルートのどちらかを選べという間違いようがない選択肢です。(初回は夏葉ルートに入ることはできません)
ありすルートすみルートのどちらかをクリアすると夏葉ルートが開放 されますが、夏葉ルートは他の2つからは独立していて、タイトル画面から直接入ることになります。(夏葉ルートだけでなく、他の個別ルートやアフタース トーリーもタイトル画面から直接入ることが可能)
推奨攻略順は、ありす→すみ→夏葉。シナリオの盛り上がりという点ではすみを最後にするのも良いかと思いますが、話の流れを考えると夏葉を最後に持ってくるのが良いかなと思います。夏葉ルートの最後はすみルートをやってないと意味不明でしょうし。
総プレイ時間はパッケージによると70時間ほどというかなりのビッグボリューム。私はHシーンの回収を除いても75時間くらいかかりました。
Hシーン
Hシーンも大ボリュームでその数なんと驚愕の77シーン! そこいらの抜きゲーよりよっぽど多い! しかもCGの重複はほとんどありません!
ただ本番(つまり挿入)行為に至っているのがそのうち半分強くらい。残りは胸でしたりお口でしたりお風呂でイチャイチャしたりしているだけですが、それでも十分エロいです。
これだけあるとさすがにダレてきそうですが、シナリオを進める上で直接見ることになるのは全体の半分くらいで、残りはシナリオ進行に沿って場面選択画面に追加されていくという形になっています。つまり追加された直後に見ればシナリオに沿ったHシーンを見ることができるし、シナリオ進行を優先させるなら後でまとめて見ることもできます。
場面選択画面ではまだ見てないシーンにちゃんと未読のマークが表示されるので、後で見るときも安心。正直こういう構成は非常にありがたい。
Hシーンの多くはロリ! 狂おしいまでのロリ!! 夏葉やすみはもちろんのこと、ありすや他のサブキャラに関しても一部は不思議な力によって幼児化するという念の入れよう(笑
もちろんちゃんとした大人の女性とのHもあるし、夏葉に関しては成長具合によって大・中・小それぞれにHシーンが用意されてるのですが、それでも全体の半分以上はつるぺたのロリHと思ってもらっていいかと。(この作品の登場人物は全員18歳以上です)
感想
ただのロリゲーかと思いきや、じっくり書かれた物語に舌鼓を打ちつつ、やっぱりロリエロゲーだったことを再認識させられるという、良い意味で期待を裏切られ、ある意味期待通りでもあった作品。
私は特にロリ好きというわけではないのですが、夏葉という一人の女の子の成長過程(つるぺたの小○生→膨らみかけの中○生→成長しきった大○生)を堪能できるというのは(いろんな意味で)結構グッとくるものがありました。
シ ナリオに関しては丁寧に書かれているものの、良くも悪くもちょっと真面目すぎるというか、大人が子供に読み聞かせるような優しい場面が多いので、人によっ てはやや退屈に思えてしまうかもしれません。主人公はともかく、周りにもうちょっとやんちゃなキャラがいるとメリハリが付いたような気がするんですが。
「happy end」で追加されたアフターストーリーは言ってみればファンディスク的な内容なので、ちょっと展開が駆け足で起伏に欠けるシナリオかなと思わなくもないですね。(ありすと夏葉ルートは特に)
しかしその分すみルートの完成度は高く、全体として起承転結(共通→個別→過去→アフター)もしっかりしているように感じます。登場人物も最も多いですし、他と比べて本編中のHシーンが少ないことからも、すみルートの力の入れようが伺えます。
ロリ好きの変態紳士の欲望も満足させつつ、読み物としても十分面白い、そんなロリゲーの皮をかぶったシナリオゲーの皮をさらにかぶったロリゲーといった作品かと。(この作品の登場人物は全員18歳以上です)