先日、エロゲ声優・萌花（もか）ちょこさんが事実上の引退を表明されました。
完全に引退というわけではなく、以前に担当した作品の続編やファンディスク等があれば引き続き出演されるということですが、新作にはもう出ないとのこと。
萌花ちょこさんは2012年くらいから主にシナリオゲーやキャラゲーをメインに出演されてきた方で、出演作品はそれほど多くはないものの多くの作品でメイン ヒロインを演じられてきました。その元気で親しみのある声質はまさにメインヒロインを演じるために生まれてきたようなもの。
メチャクチャ特徴的な声というわけではないものの、良い意味で普遍的な声と演技なのでどんな作風の作品にも合いますね。
私のプレイ履歴的にも不思議と遭遇率が高くて、『ころげて』で最初にこの方の声を聞いてからずっと注目していました。デビュー当初から台詞が流暢で、新人でありながらまるで6年くらいのキャリアがありそうな高い演技力が特徴的。
そんな萌花ちょこさんの出演作品を（例によって個人的な好みも含め）10作品振り返ってみたいと思います
- この大空に、翼をひろげて（PULLTOP 2012年）
- 時計仕掛けのレイライン -黄昏時の境界線-（ユニゾンシフト：ブロッサム 2012年）
- ガンナイトガール（CandySoft 2012年）
- 天秤のLa DEA。 戦女神MEMORIA（エウシュリー 2014年）
- ランス03 リーザス陥落（アリスソフト 2015年）
- サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-（枕 2015年）
- 見上げてごらん、夜空の星を（PULLTOP 2015年）
- あけいろ怪奇譚（シルキーズプラスWASABI 2016年）
- シンソウノイズ ～受信探偵の事件簿～（Azurite 2016年）
- エヴァーメイデン ～堕落の園の乙女たち～（Liar-soft 2022年）
この大空に、翼をひろげて（PULLTOP 2012年）
| ブランド | シナリオ | 原画 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| PULLTOP | 紺野アスタ 他 | 八島タカヒロ 基井あゆむ | 2012.5.25 |
無動力のグライダーを製作して大空を飛ぶことを目的とする”ソアリング部”を舞台にした部活モノ作品。
みんなでひとつの夢に向かって力を合わせていくという、眩しいくらいの学園青春物語です。
萌花ちょこさんが演じるのは、主人公の幼馴染・姫城あげは。
明るい性格で友達も多く、機械の知識もあるので機体製作の中心人物になっていきます。
私はこれで初めて萌花ちょこさんを知ったので、個人的にも思い入れのある作品です。
時計仕掛けのレイライン -黄昏時の境界線-（ユニゾンシフト：ブロッサム 2012年）
| ブランド | シナリオ | 原画 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| ユニゾンシフト | 西ノ宮勇希 他 | うらび ぺろ | 2012.7.27～ |
魔術の存在する天秤瑠璃学園を舞台に、主人公たちが様々な事件の謎を解明していく学園ファンタジー物語。
PC版は『黄昏時の境界線』『残影の夜が明ける時』『朝霧に散る花』の全三部作で構成され、謎が謎を呼ぶミステリー作品です。
ちなみにWikipediaはネタバレの宝庫なので、プレイ予定なら絶対に見ないでください。
1作目『黄昏～』のメインヒロインである風呂屋町眠子（ふろやまちねこ）が萌花ちょこさんの担当するキャラクター。
元気で明るい1年生で、白馬に乗った王子様に憧れるファンシーな少女です。
ガンナイトガール（CandySoft 2012年）
| ブランド | シナリオ | 原画 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| CandySoft | かずきふみ | すめらぎ琥珀 | 2012.12.21 |
2034年の日本の田舎町を舞台に、陸上自衛軍女子工科学校の女子隊員たちと過ごす軍事学園物語。
国外では現在進行形で戦争が起こっているという設定で、多脚戦車や強化外骨格などが登場する近未来ミリタリー作品です。
今は定価が安くなっている上に、DL版が500円セールの対象になったりもするので非常に買いやすくなっています。
萌花ちょこさんの演じるキャラは、言葉遣いが丁寧で明るい性格だが何かにつけて失敗ばかりしているドジっ娘・宗方ましろ。
なんだか90年代のアニメキャラのようなベタな設定のヒロインですが、今から見ると一周回って逆に新鮮に見えるかも。
天秤のLa DEA。 戦女神MEMORIA（エウシュリー 2014年）
| ブランド | シナリオ | 原画 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| エウシュリー | 高杉九郎 他 | 鳩月つみき 他 | 2014.4.25 |
1999年に発売された『戦女神』シリーズの第1作をフルリメイクした作品。
剣と魔法と女神の世界である”ディル=リフィーナ”を舞台に、女神の体を持ち「神殺し」と呼ばれる主人公セリカ・シルフィルが、ミルフェの町にある”カドラ鉱山”を探索するダンジョンRPGになります。
萌花ちょこさんが演じるのはミルフェの町の傭兵隊長カウラ・グレイジー。
戦士のくせに肌の露出が多いのはお約束。下乳と割れた腹筋が美しい褐色キャラ。
大剣を振り回す男勝りかつ姉御肌な女性で、RPG的にも典型的なアタッカーのため非常に頼りになります。
ランス03 リーザス陥落（アリスソフト 2015年）
| ブランド | シナリオ | 原画 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| ALICESOFT | ダイスころがし ヨイドレ・ドラゴン | 魚介 | 2015.8.28 |
アリスソフトの看板タイトルである「ランス」シリーズの三作目、「ランスIII-リーザス陥落」をフルリメイクした作品です。
リメイクにあたってランスシリーズで初めてキャラクターボイスが付くようになりました。
物語は第1作の舞台だったリーザス王国が、北方の軍事大国ヘルマン共和国に急襲され一晩で王都が陥落。脱出に成功したリーザス王国の忍者・見当かなみが、捕らえられた皇女の救出を主人公ランスに依頼するところから始まる壮大な物語。
萌花ちょこさんの担当はリーザス王国の皇女リア・パラパラ・リーザス。
序盤でヘルマンに捉えられた後は過酷でエロい拷問を受け続けますが、ひたすらランスが助けに来てくれることを信じ続ける健気な少女でもあります。
サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-（枕 2015年）
| ブランド | シナリオ | 原画 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| 枕 | SCA-自 他 | 基4% 狗神煌 籠目 | 2015.10.23 |
個性的過ぎるシナリオライター・SCA-自（すかぢ）さんの率いるブランド「枕」が10年以上の月日をかけて作り上げた大作です。
物語は弓張学園美術部を舞台に、親を失った主人公が萌花ちょこさんの演じるかつての幼馴染・御桜稟と再開するところから始まる学園物語。
SCA-自さんらしい文学的なテキストと、絵画を通した人とのつながりが魅力の作品です。
この作品は続編である「サクラノ刻」の製作も発表されていて、長らく鋭意製作中だったのですが、ついに今年の11月に発売される運びとなりました。
見上げてごらん、夜空の星を（PULLTOP 2015年）
| ブランド | シナリオ | 原画 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| PULLTOP | 紺野アスタ 高嶋栄二 | 八島タカヒロ 基井あゆむ | 2015.12.18 |
天体観測をテーマにしたノスタルジックな学園ストーリー。
天文部員でありながら星を観ることを止めてしまった主人公が、かつての幼馴染との再会をきっかけに再び天体観測を始める物語です。
萌花ちょこさんが演じるのは、主人公・暁斗の幼馴染の一人で引越しのあとは疎遠になっていたヒロイン・箒星ひかり。
いわゆる再会系の幼馴染で、暁斗たちと再び星を観る日々を取り戻すために奮闘する、行動力のあるヒロインです。
あけいろ怪奇譚（シルキーズプラスWASABI 2016年）
| ブランド | シナリオ | 原画 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| シルキーズプラスWASABI | かずきふみ | すめらぎ琥珀 | 2016.3.25 |
4人の少女が立て続けに自殺してしまった学園を舞台に、主人公とクラスメイトが学園七不思議の解明の乗り出すオカルトサスペンスホラー。
シルキーズプラスの前作『なないろリンカネーション』と世界観を共通してますが、よりホラー要素やバトル要素が増えています。
主人公・佐伯社のクラスメイトで霊を見ることのできる能力を持つ雛森佳奈を萌花ちょこさんが演じられています。
萌花ちょこさんの声ってこういう”一番親しいクラスメイトの女の子役”が本当に良く合いますね。
シンソウノイズ ～受信探偵の事件簿～（Azurite 2016年）
| ブランド | シナリオ | 原画 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| Azurite | 海原望 他 | はましま薫夫 | 2016.12.22 |
他人の心の声を聞くことができる能力を持つ主人公が、クラスメイトと一緒に様々な事件の謎を解決していくミステリー作品です。
日常ミステリから密室殺人事件、特殊能力の絡んだ事件など、バラエティにとんだ事件が起こるのが魅力の物語。
萌花ちょこさんの演じるキャラは主人公・橘一真が唯一心の声を聞くことができないクラスメイト・桃園萌花。
主人公に対し羨望と全幅の信頼の眼差しを向ける健気な少女です。
エヴァーメイデン ～堕落の園の乙女たち～（Liar-soft 2022年）
| ブランド | シナリオ | 原画 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| Liar-soft | 海原望 | 大石竜子 | 2022.2.25 |
イラストレーター・大石竜子さんによる非常に繊細かつ個性的な絵が特徴的な作品。
物語は外界から隔絶された女学園「プエラリウム」を舞台に、門の前で倒れていた萌花ちょこさんの演じる少女・アルエットを中心に描かれる幻想的な百合ミステリー。
萌花ちょこさんの事実上の最終作になります。
2019年以降はエロゲ出演がほとんどなくなっていた中、正に有終の美を飾るにふさわしい荘厳な雰囲気の作品です。
こうして振り返ってみると、やっぱり主人公の幼馴染とか気の置けないクラスメイト的な立ち位置のヒロインが多いですね。
私の中では”名誉幼馴染声優”として記憶されています。
萌花ちょこさんとしての活動期間が実質6年程とエロゲ声優としてはやや短めですが、どうも声の良く似た姉妹の方が00年代中盤辺りから活躍されていたみたいなので、なんだかんだで結構なキャリアをお持ちの方です。どうりでデビュー直後から上手かったわけだ。
エロゲ声優界隈って表の声優さんほど入れ代わりが激しくなくて、10年程度は第一線で活躍される方が多いと思うんですが、逆に20年30年と活躍できる業界でもないので、声優引退というのはどの方にもついて回る宿命みたいなもの。
2022年の3月には花澤さくらさんも引退されてますし、やっぱり慣れ親しんだ声優さんが引退されてしまうと寂しいものがありますね。
改めまして萌花ちょこさん、今までありがとうございました＆お疲れ様でした！
