
夏といえばエロゲ、エロゲといえば夏。
連日40℃を超えるような日々が続く中、冷房の効いた部屋で行う一番の楽しみといえばもちろんエロゲでしょう。
エロゲの物語には春夏秋冬様々な季節がありますが、やっぱり一番多いのが「夏」。
エロゲの登場人物は高こu…もとい学生が多いので、いろんなイベントを仕込める「夏休み」の時期を舞台にしたものが多いんですよね。花火を見たり海水浴に行ったり、肝試しをしたりお祭りを楽しんだり。
特にプールや海水浴はヒロインにとって水着姿を披露する数少ないチャンス。
これまで数々のヒロインが艶めかしい水着で我々を堪能させてくれました。アニメで言うところのいわゆる「水着回」ですね。
今回はそんな夏を満喫できるエロゲー、いわゆる「夏ゲー」をいくつか紹介したいと思います。
夏を舞台にしたエロゲー8作
まずは18禁の夏ゲーから。
古い作品もありますが、今でも楽しめる名作ぞろいです。
車輪の国、向日葵の少女(あかべぇそふとつぅ 2007年)
罪を犯した者が特別な義務を負わせられる世界で、義務を負ったヒロインたちとそれを指導監督する特別高等人の試験を受ける主人公による人間ドラマを描いた作品。個性的なシナリオライター・るーすぼーいさんによる巧妙に張り巡らされた伏線や仕掛けと、それぞれのヒロインの感動的なストーリーが魅力的。やや古い作品ですが今でも語り継がれる名作です。
中でも印象的なのが主人公の上司であり試験管でもある「とっつあん」こと法月将臣。
どこかで聞いたような声と強烈なキャラクター性で厳しく指導していきますが、時折ハッとさせるような人生訓めいた名言を残します。詳しくは「車輪 名言」で検索してください。
物語の舞台となるのは向日葵の咲き誇る夏の街。
画面いっぱいの向日葵の花が今を必死に生きるヒロインたちの人生と重なる、はかなくも美しい物語となっています。

ヨスガノソラ(Sphere 2008年)
主人公と実の妹との禁断の恋を描く物語。
メインヒロインである妹の穹はわがままな引きこもりで、他人に対して辛辣なこともズバズバ言ってしまう厄介な性格。
この作品の評価は妹のキャラクター性を許容できるかにかかっています。
この作品の魅力の一つが橋本タカシさんと鈴平ひろさんによる美麗でさわやかなグラフィック。あまりゴテゴテしない淡い塗りの画風が、夏の物語でありながらどこか涼し気な雰囲気を醸していますね。
この作品の舞台は携帯やインターネットが普及し始めたちょっと昔の夏の田舎町。
共通ルートでは海水浴やお祭りなど夏の定番イベントを楽しめる、古き良きエロゲーです。

この大空に、翼をひろげて(PULLTOP 2012年)
学生たちがグライダーを自作して、空の回廊「モーニンググローリー」を飛ぶことを目指す物語。
「モーニンググローリー」というのは雲が帯状に数百キロ続く実在の気象現象で、実際にグライダーファンの人気スポットになっています。
シナリオは変にひねらず、超が付くほどの王道的な青春ストーリー。
足が不自由なヒロイン・小鳥の言葉をきっかけに、仲間と協力しながらひたすら目標に向かって進んでいきます。
プレイした誰もが「こういう青春を送りたかった」と思うのではないでしょうか。
物語の季節は主に夏ですが、グライダーが題材とあって風を感じる非常に爽やかな季節感になっています。背景も草原だったり風力発電の風車があったりと涼しげ。
もちろん水着に着替えて海に行ったりもしますけどね。なんならそのまま海でHもしますけどね?

向日葵の教会と長い夏休み(枕 2013年)
数年ぶりに帰省した主人公がかつて一緒に遊んだ幼馴染たちと最後の夏休みを過ごしていく物語。
ファンタジックでもありノスタルジックでもある、不思議だけど居心地のいい世界観の作品です。
物語の舞台は海沿いにある夏の田舎町。
田舎の空気が感じられるとても雰囲気のいいストーリーになっています。
メチャメチャ感動するというタイプの作品ではないですが、しっとりと世界観に浸れる良作です。
作品のテーマは「変わらないものと変わっていくもの」。
あるヒロインルートで恋人になっても他のヒロインとも変わらず幼馴染を続けていくという、時が経っても変わらない関係性がいいですね。

なつくもゆるる(すみっこソフト 2013年)
理系的な専門用語ががっつり出てくるすみっこソフトの「SF四季シリーズ」2作目。
感染症の影響で主人公とヒロインたちが学校に留め置かれ、ある日突然街の人間がすべていなくなるというミステリアスな導入から始まります。
この作品の特徴はギャグとSF。
シナリオ前半はしょうもないギャグや下ネタで笑わせてくれますが、後半はがっつり読ませる本格的なSFストーリー。
序盤はあえて世界観を説明せず、シナリオが進むごとに世界の秘密が少しずつ明らかになっていきます。
夏の海辺でヒロインたちと行う生物部の活動も印象的。
海岸の潮だまりで貝の天敵であるヒトデを排除したらどうなるか、という実験を行うんですが、これが結構ストーリーの本質を表してるんですよね。

蒼の彼方のフォーリズム(sprite 2014年)
空を飛ぶ靴を履いて飛び回り、空中で鬼ごっこをするような架空のスポーツ「フライングサーカス」を扱った学園スポーツものの物語。部員の仲間と共に努力したり助け合ったり悩んだりする爽やかで王道的な青春ストーリーです。
日常的な練習はもちろん、合宿したり他校と練習試合をしたり大会に出場したりと、学校の運動部そのものの活動を体験できます。
個性的な他校のライバルとの熱い対戦も見もの。
演出も凝っていて、イベント絵をうまく使い空中で行われる激しい戦いをダイナミックに描いていきます。
初心者だったヒロインがその才能を開花させ、めきめきと実力を上げていく物語は『スラムダンク』や『弱虫ペダル』を彷彿とさせます。
街をあげて競技を盛り上げているので、最後の大会はまるで甲子園のよう。競技自体は夏の浜辺で行われるため、夏らしいイベント感も味わえますね。

アマツツミ(Purple software 2016年)
| ブランド | Purple software |
| 初回発売日 | 2016.7.29 |
| DL版価格 | 7,480円 |
| シナリオ | 御影 |
| 原画 | 克 |
言葉を使って他人を思い通りに操ることのできる能力「言霊」を持つ主人公が、生まれ育った里を離れて山あいの街で生活していく物語。
4人のヒロインルートそれぞれに泣けるポイントがあり、「命」や「絆」をテーマにした感動的なシナリオゲーです。
山間部の夏の雰囲気が気持ちよく味わえるのが特徴的。
あまりギラギラした夏ではなく、水の流れる小川や夜に舞う蛍の光など、清涼感のある夏の描写に少し涼し気な田舎の空気を感じます。
イラストレーター・克さんによるシンプルで可愛らしいヒロインたちのデザインに加え、繊細に描き込まれた美しい背景描写など、非常にクオリティの高い作品です。
何気にHシーンのシチュも豊富なので、エロゲーとしてもちゃんと使えるものになっています。

抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?(Qruppo 2018年)
「セックスしないと罰せられる」という”ドスケベ条例”の制定された常夏の島を舞台に、セックスを強要する生徒会とそれに反抗する主人公たちの戦いを描く物語。序盤から下品な下ネタがバンバン飛び出し、ノリと勢いで突っ走るシナリオです。
一見バカバカしい設定ですが中身は大まじめに作られていて、シナリオ自体は熱い戦いの連続。戦闘シーン自体も下ネタ満載ですが、当人たちは真面目に戦っているので読んでいる側は笑って燃えることができます。
またシナリオ後半は「正義とは何か」「マイノリティをどうするのか」ということを考えさせられる真面目な要素を含んでいます。
内容的にコンシューマでは絶対不可能な、まさに18禁だからこそ表現しえた物語です。

夏を満喫するギャルゲー2作
続いてエロシーンのない全年齢作品。
最近は全年齢ギャルゲーも増えてきたので、必然的に夏のギャルゲーも多くなってきました。
Summer Pockets(Key 2018)
ノスタルジックな夏の離島を舞台にした、Keyらしい幻想的なストーリーが魅力の作品です。
主人公がとある理由で滞在することになった島で、同世代の少年少女たちと楽しく過ごす「夏休み感」の味わえる物語。
主人公は物語開始時点で島の住人とはほぼ初対面ですが、いつの間にか仲良くなって島のみんな(特に男友達)と一緒に水鉄砲で撃たれたり駄菓子屋でアイス食べたり秘密基地で卓球したりと、昔の子供みたいな田舎の夏休み生活を満喫できるのが特徴的です。
そしてヒロイン別の個別ルートではほとんどのルートに泣ける展開があり、「これぞKey作品」といわんばかりのファンタジックで感動的なラストが待っています。

ATRI -My Dear Moments-(ANIPLEX.EXE 2020年)
| ブランド | ANIPLEX.EXE |
| 初回発売日 | 2020.6.19 |
| DL版価格 | 2,200円 |
| シナリオ | 紺野アスタ |
| 原画 | ゆさの 基4% |
海面上昇により多くの都市が水没し、残っている街も荒廃した近未来の日本が舞台。
サルベージ業でお金を稼ぐ主人公が、海底で発見した少女ロボット・アトリと共にひと夏を過ごしていく物語です。
一般的なギャルゲーらしい夏のイベントは少ないですが、荒廃した海辺の町で限られたひと夏の思い出が味わえます。
物語の起承転結がハッキリしているので読みやすいストーリー構成が特徴的です。
前半に描かれるのはポンコツなロボット・アトリや仲間たちのとの明るく楽しい生活。後半にはロボットに意思はあるのかを問いただす結構重めのシナリオ。そしてラストは涙なしでは見られない感動的な展開が待っています。
また普通この種のロボットヒロインは半永久的な存在ですが、この作品は全く逆。
一緒にいられる時間が限られる短い物語だからこそ、終盤のアトリや主人公の決断に思わず涙を流してしまいます。

今回は今でも手に入りやすい作品を中心に紹介しましたが、エロゲー・ギャルゲー作品にはまだまだたくさん「夏ゲー」が存在します。
有名どころでは00年代だと、
『AIR』(Key)
『CROSS†CHANNEL』(FlyingShine)
『この青空に約束を―』(戯画)
『水夏 ~SUIKA~』(CIRCUS)
『つよきす』(きゃんでぃそふと)
10年代でも
『素晴らしき日々 ~不連続存在~』(ケロQ)
『夏空のペルセウス』(minori)
『星織ユメミライ』 (tone work’s)
『ISLAND』(FrontWing)
『アオナツライン』(戯画)
20年代では
『かけぬけ★青春スパーキング!』 (SAGA PLANETS)
『アインシュタインより愛を込めて』(GLOVETY)
『アマナツ』 (あざらしそふと)
『サメと生きる七日間』 (CUBE)
『GINKA』(FrontWing)
などなど枚挙にいとまがありません。
社会人になると夏休みも少ないですし、昔ほど夏を満喫することがしにくくなるので、夏のイベントを楽しめるのはある意味若者の特権なのかも。だからこそ、夏を楽しんでいるキャラクターたちを見るとどこかノスタルジーを感じるんですよね。
これからも夏を堪能できる作品がたくさん世に出ることを切に希望します。

来世では自分も女の子たちと海水浴に行ってみたいです



















