2010年代作品美少女ゲームレビュー

エロゲーレビュー『青い空のカミュ』(KAI 2019年)

人気評論家である三宅香帆さんの『考察する若者たち』という本をこのあいだ読んだんですよ。
その本によると現代の若者がアニメや映画を観た後に謎や設定を解説した考察動画を見たくなるのは、「手っ取り早く”答え”を知りたいから」だそうです。
コスパやタイパを重視する現代人らしい感覚ですね。

今回紹介するのはそんな考察が重要な作品『青い空のカミュ』。
制作ブランドはややマイナーながら2010年代に作品を作り続けていたKAI。
このブランドは解散を発表しているわけではないのですが、本作の発売以降活動実績がなく、SNSの更新も止まってしまっているので事実上の最終作と言っていいかと。

どんな作品?

物語は仲の良い友達同士である2人の少女が学校帰りに買い物に行った後、電車を乗り過ごしてしまったところ周りの様子がおかしいことに気付くところから始まります。
公式のストーリー紹介が意図的に内容を伏せている面があるので、どこまで紹介していいか迷う作品です。全くのネタバレなしでプレイしたい方は余計な知識を入れずに今すぐプレイしてください。
パッケージ絵だけを見ると何やら爽やかな百合作品のように思えますが、その認識でプレイするとガツンと頭を殴られます。

この作品は企画やプロデュースだけでなく、シナリオやイラストもすべて〆鯖コハダさんという一人のクリエイターによって作られている珍しいタイプです。
なので商業作品でありながら、どこか同人作品めいた雰囲気がありますね。売れ線をあえて外して、いい意味で個人で作りたかったものを自由に作ってみました的な。

どんな人におすすめ?

物語自体はやや抽象的で難解。「あれはいったいどういう意味だったのか」とプレイ後の考察が捗る作品です。
一応百合作品の範疇ではありますが、あまりベタベタしたものではありません。百合Hもないのでそっち方面はあまり期待しないでください。

公式サイトはストーリーを隠している割にキャラの設定はバラしすぎだと思うので、ネタバレが嫌な方は見ないほうがいいかもしれません。
この記事では楽しみを損なわない程度にストーリーや世界観の紹介をしつつ、キャラ紹介はネタバレなしで書いていこうと思います。

推奨ポイント
  • 考察のしがいがあるシナリオ
  • 美麗な背景とイベントCG
  • 有名な文学や哲学作品からの引用
注意ポイント
  • あいまいでハッキリしない世界観
  • 主人公に降りかかる不条理すぎる展開
  • フルプライス作品としてはボリューム不足
ブランドKAI
ジャンル美少女AVG
初回発売日2019.3.29
DL版価格8,580円
シナリオ〆鯖コハダ
原画〆鯖コハダ
おすすめ度80
シナリオ傾向

【購入ガイド】パッケージはプレミア化

タイトル対応OS発売日入手難度
青い空のカミュ7 8 102019.3.29難

パッケージ版は1種類のみ。特に特典の類はありません。
中古市場においてはプレミアソフトとして有名で、今現在の中古価格はだいたい2万円前後。買えない値段ではないですし、ショップのショーケース内でたまに見かけますが、コレクション目的以外では手を出さないほうが無難かと。

今から買うならダウンロード版(FANZA独占)を推奨。オリジナルの壁紙も付きます。
1500円均一セールの常連なので、買うなら定期セール時を狙いましょう。

【システム】機能は最低限

街を歩く主人公の燐(左)と蛍(右)

システムはテキストが画面下に表示されるADVタイプ。画面サイズは1280×720。 DL版は「DMM GAMES PLAYER」を通してインストールや起動しなければならないので注意してください。ぶっちゃけこれ、ひと手間増えるだけでユーザー側に何のメリットもないんですよね。頻繁に更新があるのもダルいですし。

コンフィグやUIの機能は2019年の作品のわりに必要最小限です。
特にバックログ関係が貧弱で、シナリオジャンプ機能やボイスリプレイはおろか、ロード時にテキストログを持ち越すこともできません。システムだけは00年代の雰囲気です。
一応、次の選択肢に進む(前の選択肢に戻る)機能はありますが、画面上のメニューバーからしか行えないので、フルスクリーンプレイしている人は気付かない人もいるかも。

テキストウインドウの右下には画面キャプチャーボタンがあり、これを押すとそのシーンの画像を保存することができます。ボタンが地味すぎて公式サイトで確認するまで気付きませんでした(笑
キャプチャするときは毎回保存場所を確認してくるのでやや手間ですが、画像内に自動でコピーライト表記も入れてくれるので、ブログやSNSで画像を上げるときに便利ですね。

画面にノイズが走ったときは右のボタンを押してください

物語中は「Glitch(グリッチ)」と呼ばれる画面にノイズが走る演出がよく出現します。このときに画面右端にある(>)ボタンを押すと「一方そのころ」的な別の場所での出来事や過去の回想シーンが挟まれます。見なくてもストーリーの進行に影響があるわけではありませんが、毎回欠かさず見るようにしてください。割と重要な物語や世界観の一端を見ることができますし、これでしか見られないイベント絵もあります。
ただノイズが走っているときは非力なPCだともたつくことがあるかもしれません。私の環境では1回だけ処理落ちで強制終了になりました。

クリア後に開放されるシーンリプレイモードではHシーンのほかにシナリオ上重要なイベントも見ることができます。ただリプレイモードではサムネイルしか表示されないので、何のイベントだったかよくわからない面もあるかも。

【シナリオ】あえて曖昧さを残すストーリー

シナリオライターは〆鯖コハダさん。KAI作品は基本的にこの方が書いていることが多いですね。

物語は燐と蛍の仲良し女の子2人が主人公。
学校帰りに2人で買い物して電車に乗って帰ろうとしたところ、居眠りしてしまった燐は蛍の家のある駅まで寝過ごしてしまう。すると町の様子が一変。外は真っ暗となり理性を失くした街の住人っぽい「なにか」に襲われる。携帯も通じずまともな人間が誰もいない中、2人は混乱しながらも一緒に町からの脱出を目指す、というゾンビもののようなホラー作品となっています。

パイプを手にして「なにか」と戦う2人

この作品の特徴は何といっても抽象的でハッキリしない世界観。
序盤はそれこそホラー映画のような怖さが前面に出てきますが、中盤以降は意味深な展開が続きます。世界設定が細かく説明されるわけではないので、プレイヤーにとっては「これはいったい何なの?」という疑問が解消されずに物語が進むんですよね。これは意図的にそういう構成になっているので、最初はあまり深く考えずにプレイした方がいいかもしれません。

また物語中ではフランスの作家・アルベール・カミュや哲学者のジャン=ポール・サルトル、宮沢賢治の作品などからの引用が多くあります。
これらの作品は必須ではないですが、読んだことのある人は物語の解像度が確実に上がるかと。このためにわざわざ事前に読む必要はないですが、カミュの『異邦人』や賢治の『銀河鉄道の夜』あたりはあらすじ程度は知っておいた方がいいかもしれません。

何というかこの『青い空のカミュ』という作品って文系向けの趣がありますね。そもそもタイトルからして「カミュ」の名前が入ってますし。

ちょっと気になったことを言えば、テキストウインドウが横に長いので、長い文章の時はちょっと読み難いですね。わずか2~3文字のために改行することも多いですし。
こういうのって気にするブランドと気にしないブランドに分かれますが、このブランドは全く気にしないみたい。

こういう感じで単語がぶつ切りになってしまうこともあります。

【グラフィック】美麗で可愛らしいCG

原画担当も〆鯖コハダさん。シナリオとイラストの両方を担当するクリエイターさんって商業作品では珍しいですね。

CGモードで見られるイベント絵は、ヒロインの描かれていないものも含めて全部で87枚。シナリオの短さを考えるとかなり多めです。重要なシーンだけでなく、ちょっと休憩したりするシーンにもイベント絵が使われるので、かなり充実しています。

そしてなんといっても背景を含めた絵のクオリティが非常に高い。
ヒロインよりも背景の美しさをメインにしたCGもいくつかあるくらい。特に夏の青い空と白い雲の描かれたものは非常に美しく、思わず壁紙にしたくなります。

個人的に壁紙にしたいCGのひとつ

ヒロインのキャラデザはいい意味でやや漫画チック。「まんがタイムきらら」あたりに出てきそうな、丸みのある可愛らしいデザインです。
このキャラデザで緊迫したホラー展開が描かれるというギャップがまたいいんですよね。

【キャラクター】メインキャラは2人のみ

込谷こみたに 燐快活な性格で学校ではホッケー部のレギュラーであるスポーツ少女。 友達も多いが特に蛍とは仲が良い。両親の仲が悪く離婚調停中。
三間坂みまさか 蛍やや内気な性格の少女。唯一の友達である燐とよく一緒にいる。
町の名家である三間坂家の一人娘だが両親はおらず、お手伝いさんが世話をしている。

物語の中心となるのはこの2人で実質的な主人公です。
このほかにも着物を着た不思議な少女・オオモトサマや、燐の従兄である青年・高森聡がキーパーソンになってきます。

燐と蛍の2人は性格も家族構成も真逆なのが特徴的。
活動的で友達が多い燐に対し、蛍は友達もほとんどおらず内向的。とはいえ燐のほうが立場が上というわけではなく、友人関係としては対等に描かれるのがいいですね。
蛍にとっての燐がまぶしいくらい輝いた存在に見えるのに対し、燐にとっての蛍は純粋で傷のない完璧な存在に見える。互いに互いをうらやましく見ているからこその親友関係なのではないかと。

おっぱい比較(笑

ちなみに2人はあくまで親友であって、別に恋人というわけではありません。
あまりベタベタせず、さわやかな信頼関係で結ばれています。

【ボイス】キャラにハマったキャスティング

榊原ゆい(燐)蒼依ハル(蛍)成瀬未亜

主人公含め全キャラフルボイス。まぁ主人公は2人のヒロインのことですけど。
このほかにもサブキャラやモブキャラなど、意外と男性声優が多いです。

燐役の榊原ゆいさんは言わずと知れたベテラン声優さん。元気で活動的な少女はゆいにゃんの真骨頂です。

蛍役の蒼依ハルさんは2013年にデビューされた声優さん。優しげな声色で、ちょっと自信なさげな感じがすごく良い。どっちかというと抜きゲーメインの方みたいですが、今でも現役の方なのでシナリオゲーでも聞いてみたいですね。

【BGM】落ち着いた癒し曲

作中BGMの作曲はBLUE DOOR RECORD。
musicモードで聴ける曲はボーカル曲を除くと9曲。本編が短いことを加味してもかなり少ないですね。 数は少ないですが曲自体のクオリティは高く、どれも耳に残る曲です。曲の長さが結構長いのも特徴的。
どちらかというと落ち着いたヒーリングミュージックのような曲が多いですね。曲だけ聴くととてもホラー作品とは思えないかも。
一応サントラが発売されてますが、通販を含めてほとんど見かけません。

個人的お気に入り曲はメインテーマともいえる「アトモスフィア」。冒頭部分はピアノの優しい音色が響きますが、だんだんと楽器が追加されて音色が豊かになり、最後はコーラスも加わって壮大なイメージを想起させます。そしてラストはオルゴールのような小さな音でメインの旋律を奏でるのが余韻があっていいですね。

【主題歌】疾走感のあるOP曲

タイトル作詞・作編曲歌備考
完璧な世界BLUE DOOR RECORD榊原ゆいOP
例えば月の階段でBLUE DOOR RECORD霜月はるか挿入歌
青い空のカミュBLUE DOOR RECORD霜月はるかED

OP曲「完璧な世界」を歌うのは榊原ゆいさん。ゆいさんは燐役の声優も務めていますがキャラソンというわけではありません。
曲調は非常にさわやかで、青い空を飛ぶような疾走感があります。歌詞の内容も2人の心情というよりは、すべてを理解したうえで2人を見守っているような心情です。頻繁に「完璧な日」というワードが登場するのも印象的ですね。

ボーカル曲は3曲ともmusicモードでフルバージョンを聴くことができます。

【ムービー】美しいCGを生かした構成

短めのプロローグの後、OPムービーが流れます。
作中のイベントCGを使ったシンプルな作りですが、CGが非常に美しいのでムービーを見ていても気持ちがいいですね。

【攻略】実質一本道構成

物語中の数回の選択肢によりストーリーが分岐します。 ただ分岐するのはすべてBADエンドなので、実質的には一本道のストーリーですね。 選択肢自体はどっちがBADなのかわかり難いものもありますが、選んだ直後にBADルートに分岐するので物語構成はシンプルなものです。
全てのBADエンドとグリッチを見ればCGやシーン回想もすべて埋まるはずです。

総プレイ時間はオートモードでゆっくりやって8~10時間くらい。フルプライス作品としてはかなり短め。正直なところ多少物足りなさはありますね。
ただ後から振り返ってみると濃密な内容なので、これはこれで良かったのかも。
1500円セールで買えるロープライス作品と思い込めば、コスパとタイパのいい作品です。

【Hシーン】不条理な凌辱に特化

先に注意しておきますが、この作品のHシーンはすべて凌辱です。 ラブラブ百合Hとかありません。「きっとどこかにラブラブHのあるTRUEエンドがあるに違いない」と探しまくったプレイヤーは私だけではないはず。コハダ先生残酷すぎる…。

リプレイモードに登録されるHシーンは全部で11個。
ただ1回のシーンを複数登録されることが多いので、物語中のシーンとしては実質5~6回くらいでしょうか。なので1回のシーンは結構長めです。

「なにか」に襲われる蛍

襲われる際の”竿役”となるのは主に理性を失って「なにか」となってしまった人間たち。男性器も触手のように変化しているので、人間というより化け物に襲われている感が強いですね。
またヒロインたちは襲われている最中全く快感を覚えず、ただひたすら苦痛に耐えるという痛々しいシーンがほとんど。いやいやながらも気持ちよくなってくるとか、粘液に媚薬成分が含まれているとか、そういう凌辱ゲーにありがちな都合のいい展開もありません。「かわいそうなのは抜けない」という人は使えないかも。

凌辱シーンは基本的にBADエンドのみなので、本編中には少なくとも主人公2人に関してはHシーンがないというかなり思い切った構成です。
一応BADエンドなしでもエンディングにたどり着くことはできますが、「選択を間違えると凌辱される」という事実があるからこその緊張感を感じられるので、無理に回避せずに見ておいた方がいいかもしれません。

襲われるときは基本的に個別に犯されてしまうんですが、自分が凄惨な目にあっていても友達が同じ目にあってないか心配する様子が胸を打ちます。

【感想】

森の中を歩いていく2人

私自身はこの作品をホラーものであるということしか知らずにプレイしたんですが、思ったよりも文学的というか哲学的なシナリオで驚きました。エロゲってたまにこういう作品があるから侮れません。

(以下具体的なネタバレはしませんが、作品のテーマみたいなものについて語っているので、まっさらな状態でプレイしたい方は読み飛ばしてください)

プレイ後の考察で成り立つ物語

正直なところ、最初にプレイし終えたときは「え? これで終わり?」と戸惑ってしまいました。結末がちょっと不条理なものだったので「あ~はいはい、これがノーマルエンドで、これからTRUEエンドが解放されるのね」と思って改めて最初からプレイし始めました。でもTUREエンドなんてどこにもなく、何度やっても同じエンディングになります。CGもフルコンプとなり、あれが唯一の結末だと知ったときはショックであると同時に、「え~この作品ちょっとダメじゃないか?」と思ってしまったりもしました。

でも違うんですよね。この作品の本質はむしろ終わってからが本番。ラストであえて答え合わせをせず、あいまいな終わり方にすることでプレイヤーの考察の余地を残しています。

実際各プレイヤーさんの感想ブログだったりErogameScapeの長文感想を読んでみると、各々独自の視点で「あれはこういう意味がある」「いやいやこういう解釈もできる」などと本当にたくさんの考察がなされていて、それを読むだけでもすごく楽しいんですよね。こうやってみんなで考察したり感想を言い合ったりすることも含めた作品なのかもしれません。

不条理の物語

この物語の中ではカミュやサルトルの言葉が出てくるんですが、これによってさらに考察に深みが増すんですよ。

特にサルトルの一節は印象的なので、元の原文から引用してみます。

「Every existing thing is born without reason, prolongs itself out of weakness and dies by chance.(あらゆる存在というのは、理由もなく生まれ、弱さから永らえ、偶然に死ぬのだ。)」

ジャン=ポール・サルトル『嘔吐』 訳は英語名言ドットコムより引用


要するに生まれたり死んだりするのに意味や理由なんかない、今生きていることが本質なんだ、ということでしょうか。いやすいません、私哲学はサッパリなので思いっきり適当な解釈ですが。

ただこの考え方は、こと「物語」の中においては相性が悪すぎる気も。なぜなら物語中の登場人物は作者によって何かしらの役割を与えられて登場しているわけですから、理由もなく死んでしまっては拍子抜けも甚だしい。物語のクライマックスで「主人公がたまたま交通事故に遭って死にました。不運でしたね。終わり」なんて結末にされたら思わず「金返せ!」と言いたくなります。

でもこの作品ではちゃんと物語が成り立っているのがすごいところ。〆鯖コハダさんもよく物語にこのテーマを入れようとしましたよね。かなり勇気のいるチャレンジだったのではないでしょうか。

そして作品タイトルにもなっているカミュ。
この作品ではカミュの言う「不条理」が大きなテーマになっています。
不条理というのはつまり「何かが生まれた意味を問うても世界は答えてくれない」ということみたいです。要するに人生に降りかかる災難は意味なんてないんだから不条理を受け入れよってことでしょうか。
この作品をプレイしていて「なんでこの2人がこんなつらい目にあわなければならないんだ」と何度も思いましたが、これこそまさに不条理の極み。

答えのない物語

物語中、不思議な世界に迷い込んだ燐と蛍の2人は何度も襲われるものの、「この世界はいったい何なのか?」とか「なぜ2人は巻き込まれたのか?」みたいなことに関してはハッキリとした答えが明示されません。(一応ざっくりとした説明はあります)
他の物語、特にエンタメ性の高い作品においてはちゃんとした答えが用意されることが多いですが、それとは対照的です。

『Fate/stay night』でいえば「なぜ冬木の地で聖杯戦争が行われたのか」とか「なぜ士郎はセイバーと契約できたのか」といったことが物語中で明かされます。今年ベストセラーになった『とつラバ』にしても「黒列車とは何なのか」「学園や崩月家の目的は何か」という疑問に対する答えが終盤にはっきりする。わからなくても解説サイトや考察動画がネット上にあふれている。こういう「答え合わせ」があるからこそ、読者は満足感を得られるんですね。

三宅香帆さんの『考察する若者たち』では、いわゆる考察動画やChatGPTが流行っている理由として、「若者が手軽な”答え”を求めている」と説いています。自分で解釈したり想像したりするよりも、誰かに”答え”を聞いた方が早いと。1
まぁ確かにその気持ちもわかります。自分も考察動画とか結構見ますし。

でも正解のないその人独自の感想や解釈というのも面白いものです。読むたびに自分とは違った視点や考え方が垣間見えますし。
そういう意味ではこの『青い空のカミュ』という作品は昨今の流行とは対極にあるといえます。ハッキリとした答えがないので多少モヤっとしたものは残りますが、そのぶん自分で補完できるという自由度がありますね。
この作品はプレイするだけでなく、自分自身で物語を解釈し、他人の解釈を読むまでがワンセットです。

謎や伏線がきっちり明かされる作品も楽しいですが、こういう答えのないふわっとした作品も良いものですね。
是非皆さんもプレイしてそれぞれの解釈を聞かせてください。

あなたの好きな”考察作品”は何ですか?
エヴァンゲリオン? 攻殻機動隊? 進撃の巨人?

記事中に使用している画像の著作権はKAIに帰属します

  1. 『考察する若者たち』の中では作者の用意した答えにたどり着こうとする行為を”考察”、作者を超えた指摘や考えをめぐらす行為を”批評”として区別していますが、今回の記事では両方とも「考察」としています。 ↩︎
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